2023 Fiscal Year Annual Research Report
公衆衛生看護におけるアドボカシーおよび関連要因の明確化に関する研究
Project/Area Number |
19K11115
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鳩野 洋子 九州大学, 医学研究院, 教授 (20260268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (40468822)
嶋津 多恵子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 教授 (80184521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 保健師 / 市町村 / アドボカシー / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自治体に所属する保健師のアドボカシー行動を明確にし、その行動の遂行状態を測定でいる尺度を開発することを目的としたものである。文献検討、インタビューを経て作成した項目に対する意見を尋ねる2度の調査を経て、本調査を実施した。得られたデータに対して、記述統計を行うとともに、項目分析、探索的因子分析、確認的因子分析を行うとともに、既存尺度との相関係数の算出、既知グループ法として経験年数別の尺度得点の分析、信頼性の検討としてクロンバックのα係数の算出を行った。 本調査には配布した質問紙のうち445名が回答し、項目案すべてに回答した432通を有効回答とした(有効回答率34.0%)。回答者の94.0%が女性で、平均年齢は39.1±10.5歳、自治体保健師の経験年数の平均は13.9±10.3年であった。項目分析および因子分析の結果、27項目5因子からなる尺度を得た。5因子は【不利益な状況にある人々のおかれている困難な状況に対して広く周知する】【不利益な状況にある人々が自分たちで状況を改善できるようエンパワメントする】【アドボカシーに向けての自治体内、および不利益な状態にある人々の組織化の基盤をつくる】【政策変更に働きかける】【効果的な活動に向けて、関係者・関係機関と協働する】であった。クロンバックα係数は、全体で0.945、下位尺度もすべて0.8以上であった。基準尺度とは中程度の相関を示し、経験年数では管理期の得点が高かった。確認的因子分析において、 GFI=0.840, AGFI=0.806, CFI=0.907, and RMSEA=0.067の値を得た。 以上のことから、開発した尺度は一定の信頼性・妥当性の基準を満たしていると判断した。
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