2019 Fiscal Year Research-status Report
多文化共生社会の高齢化に対応した在宅ケアグローバル人材養成教育プログラムの開発
Project/Area Number |
19K11129
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
李 錦純 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (60584191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 大祐 関西医科大学, 看護学部, 助教 (10755820)
高橋 芙沙子 関西医科大学, 看護学部, 助教 (40780482)
那須 潤子 京都先端科学大学, 健康医療学部, 講師 (70554898)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在日外国人 / 高齢者 / グローバル人材 / 多文化共生 / 在宅ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多文化共生社会の観点から、多文化・多様化する高齢社会に対応できる、在宅ケア専門職を対象とした、グローバル人材養成のための教育プログラムを開発することを目的としている。本研究は4年計画であり、(1)在日外国人の高齢者在宅ケアにおける異文化対応能力の構成要素を明らかにすること、(2)訪問看護師・介護職・介護支援専門員(CM)が求める教育ニーズを明らかにすること、(3)訪問看護師・介護職・CM対象のグローバル人材養成教育プログラム案を作成すること、(4)教育プログラムの評価・修正により完成させ、普及を行うことを段階的に計画している。 当該年度は、まずは在宅ケア専門職における現任教育の課題を明らかにした上で、異文化対応能力の構成要素の抽出に向けた検討を行うことを目的とした。国内外の関連文献および資料の収集と整理、先行研究のレビュー、民族団体や外国人コミュニティ、外国人支援団体等との調整や学術交流、共同研究者間でのディスカッションを通して、課題整理を行った。在宅ケア現場における現任教育の課題として、様々な雇用形態に対応したキャリア形成支援につながる体系的な学習モデルの構築が途上であることや、高齢者介護の多様化・グローバル化に対応した教育プログラムについても発展途上にあることが明らかになった。研究成果の一部については、雑誌記事論文にまとめ、関連学会で演題発表を行う予定である。これらの課題をふまえて、異文化対応能力の構成要素の概要を素案としてまとめ、検討を進めている段階である。次年度は、今年度の成果をふまえて、早期に上記構成要素の抽出と討議を重ねて明確化し、②について計画的に進めるべく現場の実践家と調整し、フォーカス・グループ・インタビュー等のデータ収集と分析を逐次実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、在日外国人の高齢者在宅ケアにおける異文化対応能力の構成要素を明らかにすることを目的に、研究分担者とともに、文献レビューや各関係機関との調整および交流を図り、事例に関するディスカッション等を実施した。それら成果について、雑誌記事論文および学会発表の形でまとめることができた。構成要素の抽出は草案段階であり明確化には至っていないが、ほぼ当初の研究計画通り遂行できており、現在までの達成度としては、おおむね順調と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の成果に基づき、次の研究計画である、訪問看護師・介護職・介護支援専門員(CM)が求める教育ニーズを明らかにすることを目的に、関西地区の訪問看護ステーション、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所各3、4施設において、各専門職別にフォーカスグループインタビューを実施予定である。新型コロナウィルスの感染拡大により、フォーカスグループインタビューが困難な場合は、オンラインまたは個別インタビューも視野に入れつつ、一部方法論の小修整を検討し柔軟に対応していきたい。次年度早々に、状況をみながら逐次準備と調整を進めていく。インタビューデータは収集次第、分析を進めていき、研究分担者との討議を通して精緻化し、次の段階である教育プログラムのベースとなるガイドラインの骨子まで、まとめられるよう努めていきたい。
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Causes of Carryover |
ヒヤリングが途上の段階であるため、対象となる研究協力者への謝金や、データ収集と整理ににかかるアルバイト謝金が発生しなかったことで、今年度の「人件費・謝金」に残額が生じた。また、ホームページ開設にかかる経費を「その他」で計上していたが、各方面との調整に手間取り、まだ準備段階であることから、開設・公開にかかる諸費用の発生には至っていないことにより、残額が生じた。こちらも鋭意努力し準備を進め、整い次第、順次計画的に執行予定である。
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Research Products
(2 results)