2020 Fiscal Year Research-status Report
多文化共生社会の高齢化に対応した在宅ケアグローバル人材養成教育プログラムの開発
Project/Area Number |
19K11129
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
李 錦純 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (60584191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 大祐 関西医科大学, 看護学部, 助教 (10755820)
高橋 芙沙子 関西医科大学, 看護学部, 助教 (40780482)
那須 潤子 (那須ダグバ潤子) 京都先端科学大学, 健康医療学部, 講師 (70554898)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 在日外国人 / 在宅ケア / 教育支援ニーズ / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多文化共生社会の観点から、多文化・多様化する高齢社会に対応できる在宅ケア専門職を対象とした、グローバル人材養成教育プログラムを開発することを目的としている。これまでの研究成果を基礎資料とし、その継続的・発展的な位置づけとして、在宅ケア現場における異文化対応能力を身に着け、質の高いケアを提供可能な実践的な教育プログラムを開発し、完成と普及を目指すものである。令和2年度は訪問看護師・介護士・介護支援専門員が求める教育支援ニーズを明らかにすることを目的として、主な研究協力施設(訪問看護ステーション・訪問介護事業所・居宅介護事業所)において、在日外国人のケア経験がある専門職を対象に、フォーカス・グループ・インタビューを実施する準備と調整を進めた。新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、研究協力施設との調整が困難となったため、状況を見ながら電話や個別面談の形に切り替えて、可能な範囲で実施した。 地域の複数ある在日外国人対応の通所介護事業所や訪問系事業所は、やむを得ず休止した一部事業所の利用者の受け皿としての役割機能を果たしつつ、連携・協力体制をとりながら運営を継続していた。自粛生活は外国人高齢者にとっても社会参加の機会を消失させ、フレイルの発症リスクを高め、生活機能を全般的に衰えさせる懸念がある。介護現場からは、感染症対策はもとより長期に及ぶ自粛生活に伴う二次的健康被害の予防に関する教育支援ニーズも聞かれた。引き続き感染状況に留意しながらデータ収集を続行し、教育支援ニーズの明確化と教育プログラムの指針およびガイドライン作成に向けてデータの蓄積と分析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、当初予定していた研究協力施設におけるフォーカス・グループ・インタビューの実施が困難となり、グループではなく個別インタビューに切り替えて、可能な範囲で対面、状況により電話等の非接触型の方法によるデータ収集となった。このため、研究協力施設との調整やインタビュー協力者との諸調整に時間を要した。しかし、準備状況は整いつつあるため、令和3年度早々に取り組むことで、十分挽回可能な範疇と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
感染状況と安全性に十分に留意しながら慎重に対応していくとともに、引き続き可能な方法でインタビュー調査を行い、当初の研究計画を粛々と進めていきたい。得られたデータの分析を進め、教育支援ニーズの明確化とそれに基づく教育プログラム指針をまとめ、研究分担者・現場の実務家と検討を重ねた上で、教育プログラム案を作成する予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度に実施予定であったインタビュー調査にかかる謝金とテキストデータ化の業者委託費、web開催となった諸学会の旅費が持ち越しとなった。感染状況に留意しつつ、令和3年度早期に、計画的に執行予定である。
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