2019 Fiscal Year Research-status Report
在宅生活の維持を目的とした、要介護高齢者の立ち上がり動作のトレーニング方法の開発
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19K11134
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
大田尾 浩 西九州大学, リハビリテーション学部, 教授 (00441345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 裕行 西九州大学, リハビリテーション学部, 教授 (10351199)
八谷 瑞紀 西九州大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60610970)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 要介護高齢者 / 立ち上がり |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、在宅で生活を送る介護認定を受けた高齢者を対象に、立ち上がりの際に必要とする補助の有無に影響を及ぼす要因を検討した。その結果、要介護高齢者の立ち上がりの補助に影響を及ぼす要因は、床反力の起立最大傾斜が選択された。一方、下肢筋力やバランス能力は選択されなかった。本研究の結果から、要介護高齢者が補助なしで立ち上がるためには、床を素早く勢いよく踏み込む力が影響していることが明らかとなった。 次に、元気な地域在住高齢者と在宅で生活を送る要介護高齢者を対象に立ち上がりパワーと身体機能の関連を検討した。地域在住高齢者群の立ち上がりパワーの各因子すべてと有意な相関が認められた身体機能はなかった。一方、要介護高齢者群では立ち上がりパワー各因子と身体機能のあいだに有意な相関が認められた。安定した立ち上がり能力を獲得するには、ある程度の身体機能が要求されるが、ある一定以上にまで到達すると身体機能を向上させたとしても立ち上がり能力には反映されない可能性が示された。 さらに、座位にて足底で床を踏み込む力(下肢荷重力)は、なぜ立ち上がり能力を反映するのかを検証した。要介護高齢者の立ち上がり動作を床反力計で評価し、座位での下肢荷重力との関連を検討した。座位での下肢荷重力と関係のある因子に選択されたのは、CS-30と最大傾斜体重比であった。座位での下肢荷重力の測定値は、下肢筋力と立ち上がりの際に床を踏み込む能力を反映することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画していた調査は実施することができた。だが、新型コロナウィルスの影響を受けて、今後の調査の進行が危ぶまれる。本研究の対象としている要介護高齢者は、体力の低下や免疫力の低下が十分に予想される。我々調査者が感染源となりかねない現状において厳しい状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで調査した研究結果を公表する作業に取り組む。併せて、新型コロナウィルスの感染拡大に注視しながら調査が可能な環境整備について検討する。加えて、今後の研究計画を検討していく。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせや研究成果発表のための旅費を使用できなかった。原因は新型コロナウィルス感染症の影響により、移動が制限されたことである。今後、さらに分析に必要な備品の購入を行う予定である。本研究の目的を達成するために、研究計画を検討すること、現在の調査結果を公表することに力を注いでいく。
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Research Products
(3 results)