2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢患者の下部尿路症状スクリーニングをふまえた地域包括的排尿自立支援システム構築
Project/Area Number |
19K11137
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 排尿自立支援 / 下部尿路症状 / スクリーニング / 急性期病院 / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は、高齢患者の下部尿路症状スクリーニング方法を確立し、包括的排尿ケアを連携して継続できるシステム構築を目的とする。特に高齢患者は基礎疾患に関わらず、下部尿路症状を認めることが多い。初年度である昨年は、高齢患者に対する入院時残尿スクリーニングを試み、一般病院において高齢患者の16%に残尿を認め、年齢、既往歴、夜間頻尿がリスクとして推察された。さらに今年度は、入院時残尿スクリーニングを受けた高齢患者の長期的アウトカムについて、退院後の生活期における排尿状況を追跡調査した。 【方法】1.研究デザイン:横断観察研究。2.調査期間:2017年6月~2019年6月。3.対象者:調査期間中に入院時残尿スクリーニング、および排尿ケアチームと病棟看護師による排尿自立支援を受け、自宅退院した65歳以上の高齢患者230名とした。4.調査方法 ①急性期における排尿状況:電子カルテより基本属性、入院時残尿スクリーニングおよび排尿ケアチームと病棟看護師による排尿自立支援について情報収集した。②生活期までの追跡調査:無記名自記式質問紙を用いた郵送法により、現在の排尿状況を把握した。5. 分析方法:記述統計および推定統計を用いた。6.倫理的配慮:金沢大学医学倫理審査委員会の承認と対象施設の倫理審査を受け実施した。 【結果】無記名自記式質問紙の回収率は67通(29.1%)、有効回答率は100%であった。退院後の排尿場所は、トイレ55名(82.1%)が最も多く、そのうちパンツ型おむつ26名(38.8%)、尿取りパッド24名(35.8%)を使用していた。一方、退院後の生活期において尿道カテーテルを再留置した対象者は0名であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた目的を検証できたため、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
包括的排尿ケアを連携して継続できる地域包括的排尿自立支援システムの構築にむけて、急性期病院、回復期リハビリテーション病棟、市役所予防先進部、訪問看護師などで協議を重ねる。その中から、評価や連携方法など具現化して、地域包括的排尿自立支援システムを構築していく。
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Causes of Carryover |
(理由)おおむね予定通り執行した。COVID-19 により学会発表がオンライン開催となり、対面での調査や会議の制限に伴い、未使用額が生じた。(計画)次年度使用額と当該年度以降に請求する助成金と合わせて、Web会議および論文投稿を行い研究をすすめる。
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Research Products
(6 results)