2021 Fiscal Year Research-status Report
地域づくりにつながる初期認知症者の強みに着目した意思決定支援モデルの構築と検証
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19K11145
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Research Institution | Tsuruga Nursing University |
Principal Investigator |
家根 明子 敦賀市立看護大学, 看護学部, 教授 (70413193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野塚 元子 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (30449508)
木谷 尚美 富山県立大学, 看護学部, 准教授 (50350806)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 初期認知症 / 地域包括支援センター / 訪問看護ステーション / 地域包括ケア / 成功体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.量的研究調査の分析と公表:北信越北信越地域(福井県・石川県・富山県・新潟県・長野県)に設置されている訪問看護ステーションおよび地域包括支援センターに勤務する看護職を対象に実施した調査「地域における初期認知症者への看護職の関わりの実態と課題」について分析を行った。初期認知症者への関わりの実態と自由記述で得た回答(成功体験、困難経験)について分析を行い、公表した。
2.看護職への質的調査の準備と実施:昨年度に行った予備調査(訪問看護ステーションや地域包括支援センターの看護職に認知症者への関わりの実態の聴き取りを通して独居認知症高齢者への支援に苦慮していることが明らかになった)を踏まえ、インタビュー調査の内容の詳細を検討した。また、昨年度の引き続き、独居認知症高齢者への看護職の支援に関する文献の検討を行った。
3.地域づくりに向けたフィールドの準備と支援者への教育の検討:アンケート結果を踏まえ、「初期認知症者が住み慣れた地域での生活を継続できる地域づくりを目指した事業(以下、地域づくり事業)」の実践に向けて、次の2点を検討した。①これまでに得た地域や団体からの情報、先行研究結果、地域特性の分析を踏まえてフィールドを選定した。当該地域を担当する地域包括支援センター看護職との協議により内容を検討し、地域住民への周知に向けた準備を行った。②看護職や研究者に加え、将来を担う看護学部生たちも関わる機会を設け、地域づくりのアプローチや地域包括ケアを学べるように検討した。このために、フィールドでの「地域づくり事業」に学生も参加することを目指して、初期認知症者への理解と初期認知症者の思いや強みを活かせる地域づくりへの理解を盛り込んだ教育プログラム案を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、地域包括支援センター及び訪問看護ステーション看護職へのアンケート調査結果を踏まえたインタビュー調査と、フィールドにて住民を対象に看護職と共に「地域づくり事業」を概ね終える予定であったが、新型コロナウイルス感染症の関係から計画を順延せざるを得なくなった。このため2021年度は、北信越地域の特性と課題の分析、アンケート調査結果の公開に向けた準備と「地域づくり事業」に向けた準備を入念に行った。 2022年度は、アンケート調査の結果を踏まえてオンラインを併用し、感染症対策に配慮しながらインタビュー調査を年度前半に終える予定である。また、北信越地域の地域特性と課題の分析は、継続的に進めるとともに、フィールドでの「地域づくり事業」を感染症の流行状況等をみながら進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、北信越地域の訪問看護ステーションおよび地域包括支援センターに勤務する看護職を対象に、オンラインなどを併用しながらインタビュー調査を年度前半に終了する予定である。分析は研究者らで役割分担を決め、オンラインやメールでの会議を通して十分に意見交換をしながら丁寧に進めていく。また、フィールドでの「地域づくり事業」の実践に向けては、研究者の県をまたぐ移動はできるだけ避ける必要があることから、研究協力者の増員を図り、計画の遅れを取り戻すことも考えていく。併せて、昨年度の準備を活かして地域包括支援センターおよび訪問看護ステーション看護職、学生らとの協働のもと「地域づくり事業」を開催し、住民へのインタビューも進める予定である。
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Causes of Carryover |
■次年度使用額が発生した理由:今年度は、新型ウイルス感染症の関係から、インタビュー調査やこれまでの知見を踏まえたフィールドでの「地域づくり事業」の実施が困難となり、旅費および人件費の支出はなかった。それは、新型コロナウイルス感染症に関係して、①研究打合せをオンラインやメールで実施したこと、②情報の公開や先行研究の情報収集を目的とした学会参加は、オンラインで行ったため、旅費が発生しなかったこと、③研究計画の見直しに伴うインタビュー調査の順延により、インタビュー協力者への謝礼やデータ入力の人件費が殆ど発生しなかったこと、が主な理由である。
■次年度使用計画:次年度使用予算は、①インタビュー調査に関連する旅費、②データ分析に伴う人件費や謝金、機器の整備、③論文作成に必要な文献の購入、④消耗品の補充、が中心となる。新型コロナウイルス感染症の流行状況をみながら、オンライン会議により連携を密にとり、臨機応変に対処する予定である。
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Research Products
(3 results)