2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a support program focused on the prevention of burnout of professionals engaged in dementia care
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19K11147
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
長畑 多代 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (60285327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹谷 真由美 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (50435327)
松田 千登勢 摂南大学, 看護学部, 教授 (70285328)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知症ケア / 否定的感情 / 介護職 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者およびそのケアの特徴から生じる困難感や不全感等、認知症ケアに携わる専門職の感情労働の実態とサポートニーズを明らかにすることを目的として、個別面接調査を行った。ケア専門職として介護職及び看護職を対象とする予定であったが、2020年度の調査の対象は介護職のみとなった。 15名の介護職(男性12名、女性3名)にインタビューを行い、得られたデータから認知症高齢者ケアにおいて体験された否定的感情をコーディングし、類似性に基づいてカテゴリー化した。その結果【認知症高齢者の言動に怒りや嫌悪感を覚えてしまう】【対応に時間がかかることに苛立ってしまう】のように、認知症高齢者の言動や対応することに関する否定的な感情として2カテゴリー、【苛立った対応をしてしまって自己嫌悪に陥る】【わかってもらえないことに無力感を覚える】【一生懸命やってもうまくいかず折れそうになる】【本人の望むとおりにしてあげられないことがつらい】のように、認知症高齢者への自身の関わりに対する否定的な感情として4カテゴリー、【認知症の人にうまく対応ができないと思われたくない】【家族やスタッフの認知症高齢者への対応に心を痛める】といった他者の評価や認知症高齢者への他者の対応に対する否定的感情として2カテゴリーが見出された。認知症ケアに携わる介護職の否定的感情には、認知症高齢者本人に向けられるものだけでなく、自分のふるまいへの自己嫌悪やケアがうまくいかない無力感等の自身に向けられるもの、他者の認知症高齢者への対応に心を痛めるなど多彩な内容が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、研究代表者、分担者ともオンライン授業の準備、調整等、教育活動に関わる業務が増大し、研究活動のエフォートが低下せざるを得ない状況であった。また、研究協力を依頼する高齢者施設においても同様に、新型コロナ感染症拡大に伴う業務が複雑化し、さらに多忙を極めたことから研究協力が難しい状況となり、面接調査も対面ではなくオンラインで実施する等、感染予防対策を行いながら可能な限り実施したが、準備や連絡調整にも通常より時間を要することとなり、その結果、今年度は介護職のみの調査となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、積み残している看護職へのインタビューを中心に行う。また、次のステップとして管理者から見たサポートニーズおよびサポートの実際についてグループインタビューを計画していたが、感染予防対策上においても高齢者施設の状況からも難しいと考えて個別インタビューに切り替えるか、専門雑誌や学会発表等から高齢者施設での看護・介護職へのバーンアウト予防に向けた取り組みについての情報収集で代替させるか、状況をみながら進めていくこととする。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルス感染症拡大により、研究代表者、分担者とも研究のエフォートが低下せざるを得ない状況となり、学会発表等の成果発表が行えなかった。また、情報収集として予定していた国内・国際学会もオンライン開催となったこと、対面による面接調査が行えずオンラインで実施したことから旅費がほとんど発生しなかった。2021年度も学会はオンライン開催が多くなり、面接もオンラインが中心になると予測されるが、オンライン環境の整備や情報収集のための謝金等で使用していく予定である。
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