2022 Fiscal Year Annual Research Report
Nursing model of ADL recovery to elderly people with disuse syndrome
Project/Area Number |
19K11150
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
林 裕子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40336409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 紀久江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00361353)
大内 潤子 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (00571085)
福良 薫 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (30299713)
宮田 久美子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (60736099)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 廃用症候群高齢者 / 生活行動 / 用手微振動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,長期臥床や低運動により関節拘縮をきたした高齢者に対し,関節拘縮の軽減を目指し,部分的であっても自らADLが可能になるための看護方法について,実践事例を集約し学際的に検討し,廃用症候群高齢者への看護モデルを構築することを目的としている。 実践報告では,1事例では62歳の脳卒中後遺症者で,半年間に7回の誤嚥性肺炎を発症していた患者に対し,生活行動の基本姿勢である端座位の獲得のために各関節に微振動を実施することと誤嚥を回避できる摂食嚥下に向けて顔面や頭頚部に微振動を実施した看護をした。その結果,関節可動域が拡大し疼痛もなく端座位が確立し,誤嚥が低減し始めた。 他の事例は,脳卒中後遺症の若年者で在宅に復帰した者に対し,理学療法士と共同に,生活行動の基本姿勢である端座位の確立に向けて介入した。特に看護では,昼間の生活に微振動を用いて端座位となり、その際に臀部を15cm程度挙上させた端座位を実施した。その結果,端座位保持が自力で可能なり,立位が安定し,介助にて入浴などが可能になった。また,他の1件では,在宅で廃用症候群のある高齢者を働きながら介護している者の介護にける生活状態を把握した研究では,被介護者の生活行動の可能性の程度や健康状態によって,介護者の働く生活スタイルが変化することが明らかになった。このことから,被介護者の生活行動ができる限り自立的であることが重要であるかがうかがえた。 以上の報告から,長期臥床や低運動による関節拘縮のある高齢者に対し,自らADLが可能になるためには,理学療法士と合わせて看護介入が必要である。その方法として,体位変換や清拭時などさまざまな日常の援助を実施する際に,関節周囲の筋に筋膜リリースを目的とした用手微振動を取り入れながら実施する方法である。この方法により低運動による関節可動域の制限が解除され,援助が容易になることが,事例を通して確認できた。
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Research Products
(3 results)