2019 Fiscal Year Research-status Report
認知症の行動・心理症状(BPSD)の要因特定ツールの開発と汎用性の検討
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19K11159
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
杉原 百合子 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (90555179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武地 一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (10314197)
山田 裕子 同志社大学, 社会学部, 教授 (80278457)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / BPSD / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症の人の行動・心理症状(BPSD)への適切な対応のためには、その要因を特定することが重要であるが、現在我が国において簡便にBPSDの要因を特定できるツールはない。本研究の目的は、第1に、認知症のBPSDの症状ごとに、それを引き起こす背景要因と誘発要因ならびに要因同士の関連性を明らかにすること、第2に、それぞれの症状ごとの要因を容易かつ的確に特定可能なアセスメントツールを開発し使用可能性の検証を行うことである。 初年度にあたる今年度の実績は次の3点である。 ①先行文献から、BPSDの症状を引き起こす要因の整理を実施している。症状ごとにその要因は異なると考えられるため、NPIの12項目ごとに関連する要因を整理を進めている。 ②高齢者施設のケア記録等からBPSDの要因となり得る要因や環境を整理する目的で、協力を得られる施設の選定と依頼を実施し、現在調整段階に入っている。 ③スウェーデンで開発されたBPSDレジストリの情報を得るため訪瑞し、BPSDレジストリに関する情報を得ることができた。また両国の認知症ケアに関する情報交換を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度にあたる今年度の計画は以下の通りであった。①先行文献から、BPSDの症状を引き起こす可能性のある要因を整理する。症状ごとにその要因は異なると考えられるため、NPIの12項目ごとに関連する要因を整理する。②上記①の結果をもとに要因検討グループ(研究代表者、分担者2名、認知症ケアの研究者2名、5年以上認知症ケアの経験がある施設スタッフ5名)にて要因を検討する。③高齢者施設のスタッフを対象にデルファイ法を用いて、②で抽出した要因同士の関連性や重要度を検討し、要因を特定する。 現在①の段階をほぼ終えているが、さらに関連要因を検討するため、高齢者施設でのケア記録から要因の抽出を計画している。そのため、②③に進めていない状況である。 一方、スウェーデンにおけるBPSDレジストリについての詳細な情報が得られたことは大きな成果と思われる。以上から全体としては、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、協力を得られた高齢者施設のケア記録から、BPSDに関連する要因の特定を行うため、倫理審査を経たのち、記録の整理と要因抽出を行う。その後、既に終えた先行文献からの要因と合わせ、要因検討グループにて検討する。 その後、高齢者施設のスタッフを対象にデルファイ法を用いて、②で抽出した要因同士の関連性や重要度を検討し、要因し、アセスメントツールを作成していく予定である。
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Causes of Carryover |
3月にデータ整理のバイトの人件費を残していたが、新型コロナウィルス感染症の影響にて中止したため。 次年度の人件費として計上する。
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