2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K11160
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
石本 恭子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (50634945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 友美 大阪大学, 人間科学研究科, 講師 (00637077)
依田 健志 川崎医科大学, 医学部, 講師 (40457528)
岩崎 正則 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 自立促進と精神保健研究チーム・口腔保健と栄養研究, 専門副部長 (80584614)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フレイル / ADL / 地域在住高齢者 / 精神的フレイル / 社会的フレイル / 身体的フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の脆弱性を示すフレイルの発生要因は、精神的、社会的要因を含んでいる。しかしながら、現在の評価項目は、主に身体的要素であることに限定されている。したがって、身体機能が低下している状態でフレイルが発見されると、自ずと要介護状態に移行する。本研究では、フレイル発生後から要介護までの身体的、精神的、社会的つながりなどの変化の過程を経年的に追跡する。その過程でフレイルの構成要素を再構し、新たなフレイル概念要素を導き出す。最終目標は、フレイル評価指標に精神的、社会的要素を包含する評価指標の開発である。 本年度は、対象有料老人ホームで健診・質問紙調査を実施し、タイ・ナコンパトム地区でプレ健診を実施した。有料老人ホームにおける質問紙調査の回答者は208名(回答率78.8%)であった。簡易版フレイルスコア(Yamada M et al JAMDA 2015)による分類は、フレイルなし17.2%、プレフレイル62.7%、フレイル23.4%であった。本年度は、精神的項目に注目し、心を落ち着かせるための行動について調査した。回答者のうち52.5%が心を落ち着かせる行動をしており、特に運動(47.6%)、音楽を聞くこと(44.8%)と回答したものの割合が高かった。一方、ナコンパトムにおける調査参加者は102名であった。有料老人ホームと同様に精神的項目について質問を行った。ナコンパトム高齢者は、一般的に、心の落ち着きを保つために何かを行うのではなく、ストレスを感じた時や心が落ち着かないことが生じた際に、心の安寧を保つための行動をしており、質問について有料老人ホームと差異が明らかになった。ナコムパトム参加者は、祈る(48.0%)、瞑想(32.0%)が心を落ち着かせるための行動として上位を占めていた。今後さらに検討を行い、次年度の研究につなげていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、対象有料老人ホームでの質問紙調査・健診の実施し、現在解析を進めている。また、タイ・ナコンパトム地域において2019年9月にプレ健診を共同研究者らと実施した。予定通りにデータを得ることができた。これら調査の結果について、2020年2月にマヒドン大学クワンチット先生らとミーティングを行った。2020年度は、9月に事前打ち合わせ、2月に本調査をする計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染の影響により、有料老人ホームにおける健診調査、質問紙調査の実施については、現在は保留している。タイの調査は、マヒドン大学・クワンチット先生と9月に本調査の打ち合わせと準備、2021年2月の本調査を計画している。今後、世界の感染状況の動向を見ながら、計画を臨機応変に変更し研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
現在、論文作成のため解析を行っている。英文校正に当てる費用が繰り越しとなった。今年度の繰り越し額は、次年度以降に英文校正の費用に充てる。また、結果については、国内外の学会(老年医学会、サルコペニア・フレイル学会)で発表予定である。これらの学会発表に加え、老人ホームでの情報収集・調査・打ち合わせ、タイでの調査・打ち合わせ、共同研究者らとの会議等に旅費を使用する。また、物品費は、調査のために必要なものを購入する。調査を行う際には、測定者として研究協力者が必要である。調査際に測定等に協力いただいた協力者の謝金として用いる予定である。
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Research Products
(3 results)