2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者向け住まいにおける慢性血液透析患者の生活を想定した居住環境整備の指針づくり
Project/Area Number |
19K11163
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
清水 詩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10401762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯野 由香利 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (40212477)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢者施設 / 居住環境 / 透析患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、主に高齢者施設に併設されている透析室の夏季の測定結果について分析を行った。温度・湿度・照度計(T and D社 TR-74Ui)は、新棟(半仕切り、採光調整設計)に8台と旧棟(オープンスペース)に6台をベッドの頭部の高さに設置し、位置(東3台、西4、中央6、南1)を記録した。測定は2019年8月28日~9月9日に実施、透析が実施されている月・水・金曜(計6日間)の8:30-15:30のデータを対象とした。分析は時間帯(AM、PM)、フロア(新棟、旧棟)、位置の比較は検定、2変数間の関連は相関分析を実施した。 温度はAM24.67℃、PM24.78℃、湿度はAM62.3%、PM60.0%、照度はAM835.15lux、PM821.13lux(すべて中央値)であった。時間帯の比較で有意差がみられたのは、湿度、湿度差、照度差であった。フロアで有意差がみられたのは、AM・PMの温度であった。相関がみられたのは、AMでは温度とフロアは正の相関、温度と照度、湿度とフロアは負の相関、PMでは温度とフロア、照度と照度差は正の相関、温度と湿度は負の相関がみられた。 目安である室温25-28℃、湿度40-60%は、ほぼ達成されていた。夏季の特徴として、時間帯による湿度の変動と、温度・湿度は建物の構造に影響を受ける可能性、が示唆された。透析治療時間中の温度・湿度のチェックと、建物の構造に応じた温度・湿度調整の検討が求められる。 居室の測定結果は分析中である。透析室と居室、両方の分析結果から、慢性透析患者が快適に過ごせる居住環境について考察する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
梅雨季の測定について交渉したものの、COVID-19の影響で実施できなかった。測定済の、夏季・中間季(秋季)・冬季のデータを用いて分析をすすめる。
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Strategy for Future Research Activity |
居室・共用部分、透析室の温・湿度および照度について、季節ごとの分析と、季節の比較についての分析をすすめ、慢性透析患者が快適に過ごせる居住環境について考察し、高齢者施設の施設長と意見交換を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で梅雨季の測定ができなかったため。データ分析結果について、高齢者施設の施設長と検討の実施、研究成果の発表(論文投稿、学会発表)を行う。
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Research Products
(1 results)