2019 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation, practice and support system of oral care of elderly people at home by cooperation between dentistry and nurses
Project/Area Number |
19K11164
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中込 由紀代 山梨大学, 大学院総合研究部, 助手 (30796917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 文憲 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80217108)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔ケア / 在宅高齢者 / 歯科との連携 / 口腔ケアシステム / 通所介護 / 短期入所生活介護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、通所介護・短期入所生活介護施設と歯科診療所に研究協力を得て、基礎情報用紙・口腔衛生方法の聞き取り調査用紙・歯科検診表・口腔衛生状況の評価表・口腔ケアプラン用紙を作成した。研究協力施設を利用する要支援・要介護高齢者に対し、歯科検診による口腔衛生状況の評価と、歯科医と歯科衛生士による口腔ケアの指導を導入した。歯科検診の評価結果を基に、歯科医師・歯科衛生士・看護師が連携して、個々の対象者に合わせた口腔ケアプランを作成し、本人及び家族・口腔ケア関係者に情報提供・指導を行い、口腔ケアを行った。3か月後の最終評価までに、歯科衛生士による指導を3回は行い、歯科医師・歯科衛生士・看護師で口腔ケアプランの見直しを行いながら口腔ケアを行った。対象者には、口腔ケアシステム施行前と3か月後に口腔内の拭い液の細菌検査・口腔衛生状況の評価・口腔衛生方法の状況の聞き取り調査を実施し、口腔ケアの実践結果を評価し口腔ケア方法とその継続への支援について検討し、対象者の今後の口腔ケアの支援に繋げている。また、口腔ケアシステムの構築に関する検討を歯科と看護師で連携して検討している。 また、研究開始前に、事前調査として口腔ケア関係者に対し口腔ケアに関するアンケート調査を実施した(有効回答24人)。結果は、口腔ケアの学習会や講義への参加経験がないスタッフが4人(16.7%)であった。参加経験のある者の中で、施設内の勉強会の経験のみの者が10人(41.7%)であった。歯科に協力を求めたいことの有無について全員があると回答しており、協力を求めたい内容としては、口腔ケア方法の指導(66.7%)、口腔ケア勉強会の開催(62.5%)、全身状態やのみ込みの悪い対象者への口腔ケア(58.3%)などであった。アンケート結果により内容を検討し、口腔ケアに関する研修会を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
山梨大学医学部倫理委員会の実施許可を受け、11月から研究対象者の組み入れを開始した。目標症例数は50例で、20例に研究を開始し、10例の3か月後の細菌検査と口腔衛生状況の評価・口腔衛生方法の状況の聞き調査を終了している。新型コロナウイルス感染症への対応のため2月から新規の対象者の組み入れを延期し自粛している。 口腔ケア関係者に行った口腔ケアに関するアンケート調査の結果を踏まえ、口腔ケアに関する研修会を開始した。集団で集合しての研修となるため、2月に予定していた研修を延期している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症への対応に関する最新の情報を提供・助言を行いながら、口腔ケアプランに沿った口腔ケアが継続できるように支援する。新型コロナウイルス感染症の動向をみながら新規の組み入れを再開し口腔ケアシステムの構築を進めていく。歯科検診・歯科衛生士による指導・口腔ケアの際には、サージカルマスク・ゴーグル・手袋・ガウンなどの着用、換気など、感染予防対策をとった上で実施する。 口腔ケアシステムの構築のために、口腔ケアがより効果的にできるように研究協力施設と検討しながら業務改善等を進めていく。 口腔ケア関係者に行った口腔ケアに関するアンケート調査の結果を踏まえ、口腔ケアモデルを使った技術指導や、口腔ケアの困難事例への対応方法の実技指導を計画しているが、新型コロナウイルス感染症の動向を見ながら、指導方法を検討しながら進めていく。
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Causes of Carryover |
目標症例数の50例に達成するまで研究を継続する。そのためには、前年度と同様に歯科検診・口腔ケアの指導・口腔ケアを行うための物品や、歯科医や歯科衛生士への人件費が必要である。また、口腔ケア関係者に口腔ケアに関する研修会を行うにあたって、学習会の資料や演習の物品などが必要である。新型コロナウイルス感染症の沈静しない場合は対面式の指導ではなく、動画などを用いた学習方法を行う必要があり、更に費用が必要になることが予測される。
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