2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K11168
|
Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
平原 直子 西九州大学, 看護学部, 講師 (80382399)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 率先避難者 / 防災 / 高齢者 / 災害対策 / 避難行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水害時に自らの判断で避難行動をとる率先避難高齢者を育成することである。 今年度は、昨年度に引き続き、災害NPO団体を通じて防災アドバイザーへのインタビューをおこない、地域防災の取り組みと地域で抱える課題の抽出をおこなった。水害・土砂災害経験地域では、防災・減災教育の効果として、災害の種類に応じた避難場所を理解する住民の割合が増加したことや自主防災組織率の向上などが見られており、地域住民の災害への関心の高さが明らかであった。また、避難行動には、主観的規範、行動コントロール感、心理的コスト、危険のバイアスが影響することが知られているが、インタビューにおいても率先避難者の存在は、主観的規範や集団同調性バイアスに影響し、住民の避難を誘導する効果が期待できるという示唆が得られた。 今年度は昨年に引き続き、率先避難者育成のための教育教材を作成している。防災教育教材の効果を検証する方法については対象者の特性を踏まえた評価方法が十分検討できていないため、今後検討する必要がある。また、2021年度行う予定であった水害被災地に在住する高齢者を対象とした避難決定要因に関するアンケート調査については、全国的な新型コロナ感染症の拡大に伴い、協力を依頼している災害NPO団体や自治体との調整および対象者への調査用紙の配布が困難であったことから、延期し2022年度の実施を予定している。ただし、新型コロナウィルス感染状況により、さらに延長する可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大による対象者および研究協力者へのアクセスが困難であったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
率先避難者育成のための教育教材の作成および防災教育教材の効果検証方法の検討を継続する。水害被災地に在住する高齢者への避難決定要因に関するアンケート調査については、ICTの利用など手段を工夫し、研究協力者との調整を図り、実施する。
|
Causes of Carryover |
(理由)2021年度予定していたアンケート調査を延期し、データ収集時に必要とする印刷費・通信費および調査に関わる研究補助員の人件費・旅費、データ分析に係る謝金・会議費を必要としなかったため。 研究協力者へのインタビューおよび学会等への参加において、WEB会議システムを利用し旅費等の支出が抑えられたため。 (使用計画)質問紙調査の実施に関わる印刷費・通信費および依頼予定であった研究補助員の人件費・旅費・データ分析に係る謝金・会議費として使用を予定している。また、研究成果の発表における旅費等に使用する予定である。
|