2023 Fiscal Year Annual Research Report
島嶼地区の高齢女性とともに探る人口減少の看護対策―島での子育て文化に学ぶ―
Project/Area Number |
19K11172
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
野口 美和子 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 名誉教授 (10070682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盛島 幸子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 研究員 (10836604) [Withdrawn]
田場 由紀 沖縄県立看護大学, 看護学部, 教授 (30549027)
吉川 千恵子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 研究員 (50326500) [Withdrawn]
石垣 和子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (80073089) [Withdrawn]
大湾 明美 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 名誉教授 (80185404)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 島嶼 / 高齢女性 / 子産み・子育て / 地域文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的は、人口減少への対応として、人口を奪い合うのではなく子を産み育てる営みを支え合うための対策を看護の立場から提案することである。そのために、少子化のすすむ現在、島嶼に受け継がれてきた子産み・子育て文化を生きてきた高齢女性を研究協力者として選定、子育て文化の中核的要素を導くことである。 対象地域は、沖縄県でも出生率の高い2島であり、保育所設立前にそれぞれの島での子育ての体験を持つ女性高齢者23名(保育の専門職であった2名を含む)を研究協力者として、半構造化したインタビューを実施した。その内容は、高齢者の子どもとして育てられた体験、子育ての体験、子育てを支援した体験の語りであり、質的帰納的に整理し、「高齢女性の体験にみる子育て文化とは何か」の視点で分析した。 子育て文化の中核的要素は、“食べさせる”“安全を見守る”“地縁・血縁の地域で育てる”“関わって楽しむ”“学びを語り継ぐ”“社会や価値の変化を受け止める”“支えあう感謝や生きる希望につなぐ”“専門職と地域の多様性との融合で子育てをする”が導かれた。保育の担い手は、血縁保育ネットワーク(姑・実母など)や地縁保育ネットワーク(守姉・隣近所の子どもたち)から、核家族になった母親と父親、保育所や幼稚園・学校へと移行している。しかし、保育の専門職であった高齢女性は、“専門職と地域の多様性との融合で子育てをする”ことで、高齢者だけでなく子供にとってもメリットがあることを示した。すなわち、子育ては専門職の子育てだけでは賄えないことがあるとし、地域にある子育て文化への期待をしていた。子育て文化は、子どもにとっては共感力が育くまれ、高齢者にとっては子育てに参加する役割の拡大が期待できるといえる。 看護の立場から子を産み育てる営みを支えあうための対策は、高齢者に子育て支援への積極的な参画の機会を社会サービスとして推進することを提案したい。
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Research Products
(2 results)