2019 Fiscal Year Research-status Report
女性新規就農者が健康を獲得するプロセスの解明と健康増進プログラムの開発
Project/Area Number |
19K11173
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
小澤 涼子 天使大学, 看護栄養学部, 講師 (40636825)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新規就農者 / 女性 / 健康 / 理論生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、結婚や自ら農業経営を決断して新たな地へ転入し就農するなどの転機によって、これまでと異なる自然環境や地域の文化、人々との暮らしを営む女性新規就農者が、自らの健康をどのように獲得しているのかを理論生成により解明する。その結果を基に、女性新規就農者が健やかに働き暮らすことができるための健康づくりプログラムを開発することを目的としている。 令和元年度は、女性就農者が転入地での新規就農による生活を通して獲得する自らの健康を健康観として理論生成の検討を目標とした。先行研究で保健師のインタビューにより明らかにした第一次産業従事者にとっての健康、ならびに農業従事者のHealth Beliefの概念を文献により検討した結果から、本研究では当事者にとっての健康すなわち健康観を「自然環境や労働、人々との相互作用を繰り返し、調和を図りながら自らよりよく生きることを求めて意味出される、その人にとって安寧な状態にあること」と定義の上、本研究のインタビューの視点を明確化し半構造的面接を行い、グラウンデッドセオリーアプローチによる理論生成を検討した。当初は、これまで先行して進行しているインタビューに対象者を追加し強固な理論生成を検討していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により農閑期に予定したインタビューが中断された。今年度は先行していたインタビューと合わせて研究参加者は23名となり分析の結果、生成された概念の特性や相互の関係性が確認されたため、今後は現実に密着したより確かな理論としての検証を図るためのインタビューを計画し遂行する段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度は農閑期に予定していたインタビューが新型コロナウイルス感染症の拡大により中断し進展が困難となった。先行して進行しているインタビューと合わせた概念の生成と理論の検討は分析により行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も新型コロナウイルス感染症の動向によってはインタビューは困難となることが想定される。一方で、先行して進行しているインタビューと合わせた分析から、生成された概念と概念相互の関係性が確認されている。よって理論としてより強固とするため、これまでインタビューを実施した研究参加者へのメンバーチェックも面接の他、電話やメール、遠隔により可能なツールも検討し令和2年度は進行することによって、より現実に密着した理論として検証を図り目標の達成を目指す。さらにプログラムの検討に向け、女性新規就農者の関心、ニーズを把握するとともに、フィールドとする協働可能な自治体の選定と依頼を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルス感染症の拡大によりインタビューが中断されたことに伴い、主に旅費ならびに謝金の費用が発生しなかったためである。使用計画として、引き続き面接を継続するため旅費、謝金に関する費用として使用する予定である。
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