2020 Fiscal Year Research-status Report
要支援・要介護在宅高齢者の脱水指標探索と熱中症防止意識向上に向けた取り組み
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19K11186
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Research Institution | Osaka Shin-Ai College |
Principal Investigator |
上田 博之 大阪信愛学院短期大学, その他部局等, 教授 (00203448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
豊島 めぐみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 助教 (70773274)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在宅高齢者 / 脱水 / 体水分率 / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅高齢者の脱水指標として体水分量測定の信頼性を検討するために、若年成人を対象とした運動による体重減少実験に続いてフィールド調査を計画したが、COVID-19感染により十分なデータをとることができなかった。日常生活の活動レベルにおける脱水で、尿比重や濁度による判定は極めて難しいことが判明し、体水分量測定の信頼性の検証をすすめた。 介護などサポートを必要とする高齢者を対象としたフィールドにおける測定・調査においても、高齢者施設への立ち入りが困難で、予定の被験者を対象にすることができなかった。可能な一部の在宅高齢者40名(要介護1~3)を対象に6月~9月に家庭での介護や支援時にインピーダンス法による体水分量、尿比重、尿濁度の測定を行った。同時に,3~5日間の居室温湿度の連続的測定,着衣状態や食生活などの生活調査を行った。うち15名については、同様の測定を1~3月に行って体水分量の季節比較を行ったが、体水分率に有意な季節差はみられなかった。 夏季に測定した体水分率を用いて2群もしくは4群に被験者を分けて、低い体水分率群(L群)と高い体水分群(H群)を比較したところ、L群の居室の平均温度がH群に比べて有意に高かった。また、住居や食生活などの生活調査には群間に差はみられなかったが、L群で衣服の重ね着傾向がみられた。このように居室温度や着衣状態は脱水の指標になりえると考えられるが、軽度の介護においては訪問介護員が対象と関わる時間が比較的短く、脱水を見極める客観的指標は少ないことが再確認できた。得られた情報から脱水アセスメント項目を精査し、支援家族や訪問介護員の熱中症予防意識向上に向けた取り組みの提案を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染により、学生実験・調査、高齢者施設における測定・調査を計画通りに実施することができなかったが、調査対象数を削減して可能な限り実施した。得られた調査結果を参考にして熱中症予防意識向上に向けた取り組みを計画したい。
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Strategy for Future Research Activity |
在宅高齢者の脱水指標として体水分量測定の信頼性を検討するために、若年成人を対象とした運動による体重減少実験に続いてフィールド調査を実施する。実施した測定・調査結果を参考にして教材や資料を作成し、熱中症予防意識向上に向けた取り組みを構築する。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染により、計画していた実験・調査ができず、代替の方法で実施したものの、延べ回数が減少したことが大きな理由である。本年度も、同様の障害が考えられるために、これらを補う方法を計画を変更している。
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