2022 Fiscal Year Annual Research Report
要支援・要介護在宅高齢者の脱水指標探索と熱中症防止意識向上に向けた取り組み
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19K11186
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Research Institution | Osaka Shin-Ai Gakuin University |
Principal Investigator |
上田 博之 大阪信愛学院大学, 看護学部看護学科, 教授 (00203448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳光 大阪国際大学, その他部局等, 名誉教授 (70144566)
豊島 めぐみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 講師 (70773274)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 要介護 / 高齢者 / 熱中症 / 脱水 / 体水分量 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年成人を対象とした高温環境における運動実験で、脱水率とインピーダンス法による体水分量に高い相関関係が認められたことから、多周波数生体電気インピーダンス法による体水分量が脱水指標として有効であることが示唆された。しかし、日常生活で測定する場合は、測定前の飲食・飲水行動が測定結果に影響することが推測された。そこで、測定前の行動を把握することや習慣的に測定された連続的な測定値から体水分量減少を推定することが重要であると考えた。 要介護1~3の在宅高齢者を対象にした夏季生活環境調査で、体水分率の低い高齢者の居室は比較的高い温湿度であり、さらに重ね着の傾向が見られた。これらのことから、軽度の介護では少ない訪問回数や時間の中で、体水分量測定に加えて、居室環境や着衣行動に着目して総合的に熱中症の危険性判断することが重要である。 これらの成果を参考にして、在宅高齢者を訪問サポートする介護員に「加齢に伴う体温調節能低下と熱中症発生の機序」を解説する動画を作成・配布した。これに対するフィードバックを得て、訪問介護員が被介護高齢者やその家族に対して「加齢に伴う体温調節能低下と熱中症防止策」について解説する動画を作成して、熱中症防止の関心や意識向上に向けた活動を計画した。体重計などに付帯する簡易な測定器を用いた体水分率測定や居室・寝室の温湿度測定を習慣的に行うこと、被介護者の飲水行動や着衣行動を把握することなど確認事項を設定することは、介護員だけでなく被介護高齢者やその家族の熱中症予防への関心や意識を向上させる一助となる。
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Research Products
(2 results)