2021 Fiscal Year Research-status Report
子育て世代のがんサバイバーのコミュニティ・エンパワメントモデル開発
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19K11193
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中山 貴美子 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (70324944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳩野 洋子 九州大学, 医学研究院, 教授 (20260268)
合田 加代子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (20353146)
田垣 正晋 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (30347512)
草野 恵美子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 准教授 (70346419)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | がんサバイバー / エンパワメント / 母親 / 乳幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どものいるがん患者の中でも、とりわけ乳幼児をもつがん患者は、育児負担の大きい時期の子育てとがん治療の両立において困難を抱えている。がんサバイバーとは、がん体験者であり、がんを抱えて生き抜く人を言う。がんと診断された人の5年相対生存率は、男女計で60%を超えており、がん罹患者は、がん患者としてではなく、がんを抱えて生き抜く人、つまりサバイバーとして捉えることが重要になっている。 本研究では、人間が持つ力を重視するエンパワメント理論を用いる。エンパワメントとは、「人々が自分の健康に影響のある意思決定と活動に対し、より大きな支配力を得る過程」である。乳幼児をもつがんサバイバーの母親は、身体的、心理的及び社会的にパワーレスになりやすいことから、母親自身のもつエンパワメントに着目することが大切である。 そこで、本研究では、乳幼児をもつがんサバイバーである母親のエンパワメントを明らかにすることを目的とした。方法は、出産後にがんの診断を受け、乳幼児の子どもを育てることを経験した母親5名を対象に半構成的面接を実施した。データは、質的に分析した。その結果、「毎日を大切に暮らしている」と「今まで通りの日常生活を維持している」「がん治療と子育ての折り合いをつけている」「自分の体調を管理している」「自分の気持ちをコントロールしている」「周囲の様々な人と支え合っている」「社会資源を活用している」「子どものことを考えて医療を活用している」「がん治療と調整しながら仕事を続けている」の9カテゴリーが抽出された。乳幼児をもつがんサバイバーである母親への支援として、母親の持つ力に着目し、持っている力が発揮されるような個別と環境面への支援が重要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナの影響で海外視察ができず、当初の計画が実行できていないため
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Strategy for Future Research Activity |
乳幼児をもつがんサバイバーである母親のエンパワメントの分析を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で海外視察ができず、次年度使用額が生じた。海外視察に変わる、調査研究等を計画して使用する予定である。
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