2020 Fiscal Year Research-status Report
Practical applications of home-based program to improve quality of life among older people with chronic pain
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19K11201
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
樋口 大輔 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (80736265)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 身体活動 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、慢性的な痛みのある高齢者に対して身体活動量を高めることをねらった在宅リハプログラムを実用化させ、普及させていくことである。この目的を達成するため、本研究では3つの研究(1年目:運動課題の選定、2年目:効果影響因子の探索、3・4年目:プログラムの効果検証)を4年間で実施していく計画である。令和2年度は研究2年目にあたり、「効果影響因子の探索」を念頭に研究を進め、下記の成果を得た。 腰部脊柱管狭窄症に対する手術後受け、その後も痛み・しびれが持続する高齢者において、健康関連quality of life(QOL)およびその構成因子(ADL等)は身体活動量と総じて正の関連を示すことが確認でき、このことは身体活動量を向上させるような介入プログラムが腰椎術後に痛みやしびれが持続する高齢者に対して有効であることを示唆するものと考えた。ただし、この健康関連QOLと身体活動量との関連性は対象者の属性によって変化することがあると想定し、サブ解析を実施した。 ①運動恐怖(kinesiophobia):健康関連QOLを従属変数、身体活動量、痛み強度、運動恐怖および身体活動量と運動恐怖の交互作用項を独立変数とする重回帰分析を実施した。その結果、運動恐怖が強い人においては健康関連QOLは身体活動量と有意に関連していたが、弱い人においては関連しなかった。 ②痛み強度:痛み強度によっていくつかの群を作り、健康関連QOLと身体活動量の関連性を検証したところ、痛みが非常に強い(痛み強度上位25%)群においては健康関連QOLと身体活動量とが有意に関連しなかった。なお、それ以外の群では健康関連QOLと身体活動量とは有意に関連した。 ③性別:①にあるように運動恐怖は健康関連QOLと身体活動量の関係の強弱を決定する因子であるが、運動恐怖は男性よりも女性において強い傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した調査を実施することができ、当初に定めた計画通りに研究が進捗しているため。一部の研究成果の公表は令和3年度に持ち越されている。
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Strategy for Future Research Activity |
応募時の計画に沿って研究を進行する。令和3年度から介入研究を実施する計画であるが、その実施に向けて関係機関と協議していく。特に研究参加者の募集が円滑に進むように配慮する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行により会場型学会がほとんど開催されず、旅費の支出が予定よりも大幅に少なかったため。令和3年度においては、環境が許す限り会場に足を運ぶこととし、研究成果の公表とともに研究者と情報・意見交換を行い、研究を発展させるヒントを得る。
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Research Products
(6 results)