2019 Fiscal Year Research-status Report
遷延性意識障害患者への看護介入内容と効果の測定から客観的・定量的評価指標の確立
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19K11202
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Research Institution | Tohto University |
Principal Investigator |
佐藤 光栄 東都大学, ヒューマンケア学部, 教授 (70461837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲州 優 東都大学, ヒューマンケア学部, 講師 (00781254)
杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遷延性意識障害高齢者 / 意識レベル / 脳波 / 唾液IgA / 看護介入 / アロマセラピー / 音楽療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は第4回日本脳神経看護学会研究会に研究分担者とともに参加し、前年に収集したデータをもとに「遷延性意識障がい高齢者への複合刺激ケアの評価」-長期介入前後における脳波3波形の変化からの検討―と題してポスター発表を行った。研究結果は、遷延性意識障がい者はGCSでは7以下の方を対象とした。この方々にみられる脳波は、実施前はθ波優位で傾眠傾向にあるが、9週間後にはθ波がやや減少し、β波がやや増加を示した。GCSも平均で1~2改善の変化が見られていた。このことは脳活動に何らかの変化が見られてはいると考察できるか、変動の誤差範囲と考えるかである。覚醒に向けた動きがみられていると評価するには結果は明白ではなく、日々の継続による変動変化を捉えたに過ぎないとも考えられるため、今後対象者数を増やすこと、ケアごとの変化を捉える事で、検討できるデータ数を増やすことが必要と考えられる。研究会に参加し、遷延性意識障がい者に対する研究の動向に対する情報収集、および学会主催のワークショップ参加などにより知見を得る活動を中心として、評価方法などの情報を得た。 一方所属大学の倫理委員会に研究の倫理審査をうけるための書類の提出を行ったが、人を対象とした介入研究のため本審査が必要であり、幾度か質疑に対するやり取りを行った。倫理審査において承認は得られたが、冬季でインフルエンザのための面会制限、新型コロナウィルス感染拡大防止のための自粛活動や面会制限のため対象者とのかかわりができず、研究実践には至らなかった。 その間、脳波計のセンサーが新しくなり、その使用方法の講習を受け、自ら体験してその使い方やデータ解析方法の習得を行った。 研究対象者の選定、協力施設の選定と水面下の打ち合わせを行ったりした準備を行い、音楽療法や、アロマセラピーによる介入研究論文クリティーク活動をしていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の倫理審査をうけるための書類の提出を行ったが、人を対象とした介入研究のため本審査が必要であり、幾度か質疑に対するやり取りを行った。倫理審査において承認は得られたが、冬季でインフルエンザのための面会制限、新型コロナウィルス感染拡大防止のための自粛活動や面会制限のため対象者とのかかわりができず、研究実践には至らなかった。 その間脳波計のセンサーが新しくなり、その説明を受けたり、研究対象者の選定、協力施設の選定と水面下の打ち合わせを行ったりした準備を行い、音楽療法や、アロマセラピーによる介入研究論文クリティーク活動をしていた。 文献としては、音楽療法においても、アロマセラピーにおいても、評価の妥当性を示す客観的データによる研究は少なく、主観を中心とした内容が多かった。今回我々が客観的データとなる結果を主観的データとの組み合わせにより評価する事で、妥当性を検討する必要性があることがさらに明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
脳波計のセンサーに関しては、計測環境の影響(例えば部屋の明るさや風通りなど)も受け、1度の極めて再現性が低く、ある程度の繰り返しと、その間のデータの積分等によって比較しなければデータが安定しないことが分かった。被験者の測定を実施するまでに、これらの基礎データをとることで、再現性のよいデータを取得するように準備する。 今後は、新型コロナウィルス感染防止対策を継続しつつ、自粛解除され示説での活動ができ次第、先方との調整後研究実践を行う。データ収集は2021年11月ころまでに終了できるよう計画している。COVID-19の第2波、インフルエンザを警戒しつつスタンダードプリコーションを遵守し実践する予定である。その後、データをまとめて検討する。また唾液中の成分分析に関しても、アミラーゼやs-IgAだけでなく、どのようなホルモンやその他の分子が変動しているかを文献レベルで調べておき、実際に採取した唾液のための、測定系を確立しておく。
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Causes of Carryover |
倫理審査に時間がかかったことと、インフルエンザ、及び新型コロナウィルス感染拡大防止対策により、実施施設において面会制限があり、介入に至らなかったために当該年度実施予定が遅れた。
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Research Products
(1 results)