2021 Fiscal Year Research-status Report
支援が必要な母親との援助関係づくりにむけた保健師の研修プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
19K11203
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
佐藤 睦子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (40737293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 昌江 関西医科大学, 看護学部, 教授 (70264827)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 児童虐待予防 / 保健師 / 社会的認知理論 / 研修プログラム / 介入研究 / 援助関係づくり |
Outline of Annual Research Achievements |
Bandura(1977)による社会的認知理論を基に、研修プログラムを開発、母子保健経験2年~10年の保健師を対象に準実験研究を行った。本研究の目的は、援助が必要な母親にかかわる虐待予防を行う保健師を対象に、母親との援助関係づくりに向けた専門的援助技術獲得のための研修プログラムを開発、実施することにより効果を検討することである。介入群13名(平均30.7歳)、対照群18名(平均31.1歳)を分析対象とした結果、以下の結果が得られた。 1.援助に必要な行動能力において、「在宅看護の質」の「問題対処を補足、強化する行動」と、「援助内容」の12項目、援助関係形成の初期において、母親と関係構築を目指すための援助姿勢が介入によって有意に上昇した。2.自己効力感において、援助を行う自信の「一緒に考えていきたいと伝える」「信頼関係を大切にする」「継続的にかかわる」「保護者をフォローする」と援助づくりに対する困難感の「共感的な感情」が介入によって有意に上昇した。 3.1.2の結果から経験という交絡を検討した結果、13項目において否定された。このことから、熟練保健師の援助技術のうち、母親との援助関係構築を目指す初期の援助姿勢等が、本研修プログラムによって獲得できたと考えられる。 以上より、本研究により開発した母親との援助関係づくりに向けた専門的援助技術獲得のための研修プログラムは、援助に必要な行動能力や自己効力感を向上させ、一定の有効性を検証することができた。本研修プログラムを受講することで、保健師と母親の援助関係づくりが進展し、虐待予防に寄与する可能性が示唆された。今後の課題としては、研修内容の簡素化等による研修生の負担軽減等が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の流行に伴い、一部研究の内容を変更せざるを得ない状況にはなったものの、プログラムの開発、実施まで終了し、一定の結果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究結果を広く公開し、実施していただけるように論文投稿を行う。 また、開発した研修プログラムの内容を一部変更して、オンラインで研修の試行を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う業務増加によって、データ解析の作業に遅延が生じたため。
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Research Products
(2 results)