2019 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会における地域づくりを目指す住民組織の持続可能な活動支援指針の開発
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19K11208
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
滝澤 寛子 京都先端科学大学, 健康医療学部, 准教授 (80293819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 尚子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80256388)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域づくり / 住民組織活動 / 活動指針 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自分だけでなく地域の人々が、疾病やしょうがいの有無にかかわらず、その人らしく生きていくことができる地域づくりを目指す住民組織活動をとりあげ、超高齢社会において、活動を担う次世代の参画を得ることができ、持続可能な活動を展開していくことができる仕組みと要因を見出し、保健師による住民組織活動支援の指針を開発する。 初年度は、地域づくりを目指す住民組織活動の実践例および支援方法に関する文献を対象に、既知見による①住民組織の支援方法と②活動の持続可能性を左右する要因を抽出した。 医学中央雑誌のオンライン検索システムを用いて「住民組織」「住民組織活動」「地区組織」「地区組織活動」をキーワードに1990年以降の文献を検索した(2019年7月検索)。その結果、住民組織は129件、住民組織活動は595件、地区組織は99件、地区組織活動は51件の文献が見つかった。その中から、上記を目指した住民組織の活動に関する文献で、住民組織活動に影響を与える要因および住民組織の支援についての記載内容を抽出した。抽出した記載内容を意味内容をもとにコード化、類似比較を行い、分類した。 支援方法としては、【住民組織活動に関する地域の健康に責任をもつ保健師としてのアセスメント】を始め、活動の計画・実施・評価の各段階にそった支援内容12項目のほか【住民組織の成長に応じた関り】や、組織として活動するための支援内容3項目、住民・関係機関・行政などの関係づくり等を含む活動の促進・発展を促す環境整備の内容9項目、保健師の支援姿勢として2項目が抽出できた。 活動に影響を与える要因は、個人レベルでは【活動の価値】を含む5項目、組織レベルでは【進化する活動】【活動の評価と可視化】を含む23項目、地域レベルでは【地域の人々との交流】【地域の活動への理解・反応】【行政とのパートナーシップ】を含む13項目が抽出できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度予定の文献による①住民組織の支援方法と②活動の持続可能性を左右する要因の抽出が概ねできた。しかし、今後の調査に新型コロナ感染症の影響がでることが非常に懸念される。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の影響で、研究分担者と対面での打ちわせ等が行えなくなる可能性が考えられる。状況によりオンライン会議も加えつつ研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
(理由) 新規の備品購入や研究打ち合わせの旅費を他の経費でまかなえたことや、文献取り寄せの経費を抑えられたことで当初計画より未使用額が生じた。 (使用計画) 次年度以降、調査を行うための経費(調査旅費、データ整理等にかかわる謝金等)として、次年度以降の研究費とあわせて使用する。
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