2022 Fiscal Year Research-status Report
死生観を育み看取り文化を創成する住民参画型看取りケアコミュニティのモデル開発
Project/Area Number |
19K11209
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
真継 和子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (00411942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 道太郎 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (30541180)
近藤 恵 (有田恵) 大阪医科薬科大学, 国際交流センター, 講師 (40467402)
佐野 かおり 大阪医科薬科大学, 看護学部, 講師 (60399251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看取り / 死生観 / 語り / コミュニティ / アドバンスケアプランニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「看取り体験の共有化による死生観の醸成」と「コミュニティ・エンパワメントによる看取り文化の継承と創成」を軸に、人生の最期まで主体的に自己の生に取り組むことができる社会の実現に向け、地域での看取りを支えるコミュニティモデルを提示することである。具体的には観察研究と介入研究によって構成している。 2021年度に引き続き2022年度の目標は、地域住民とともに看取りの体験的知識を共有する場をもち、生や死について語り合うことを可能にするコミュニティづくりをすすめることであり、具体的には「看取りを考えるワークショップ」と「地域懇談会」の開催であった。COVID-19感染の影響により対面での開催を懸念していたが、感染予防対策を講じた上での対面開催とオンラインでの同時開催を実施できた。2022年度は計3回のワークショップを開催しテーマに沿っての話題提供、参加者とのディスカッションを重ねることができた。 第1回「コロナ禍における死生観」では、いのちの限りを認識すること、スピリチュアルペインとその痛みを和らげるひとつの方策としての聴くことの大切さについて学ぶことができた。第2回目「コロナ禍における看取り-その命への向き合い方」では、医師、看護師、家族それぞれが体験した看取りを共有し、命の限りは人それぞれであること、一人ひとりの命の大切さを考える機会となった。また、看取りという課題は、本人だけでなく、遺されていく家族、そこに関わった者たちにとっても、重要な課題であることが共有された。第3回目では、「アドバンス・ケア・プランニング-その意味と実際」をテーマに、人生をどう生きるか、どう生き切るか、参加者とともに意見交換した。 さらに、市民の参加を募り地域懇談会を開催し、看取りをめぐる地域課題の集約、地域での看取りを実現するために必要なネットワークやシステムについて検討し始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響が大きいが、2022年度は「在宅看取りを考えるワークショップ」を計3回、ハイブリッド方式で開催できた。死や看取りがテーマであることから、オンライン開催の場合の参加者の心理的負荷へのフォローアップができない等の課題への懸念もあったが、現在のところ問題なく進められている。また、市民参加による地域懇談会の開催も実現した。看取りを経験した家族の体験についてもインタビューを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
住民参加型の活動を主軸におきながら、ワークショップを定期的に開催していきながら、死や看取りに関する人びとの価値を共有していく計画である。同時に、学会等での発表は交流集会などで、研究結果やその成果を発信していきたいと予定している。 当初予定とは大幅に遅れをとっているが、2023年度は最終年度にあたることから、計画的に実行していくことを目標とし進めていきたいと考えている。①地域住民へのインタビュー調査により、看取り体験、死や看取りに対する思いや考えを丁寧に聴きとっていきながら、冊子体などにより「人々の声」として地域住民に届ける仕組みを作り体験を共有することで、人々の意識に働きかける、②定期的にワークショップ(ハイブリッド方式)を開催する、③一部動画配信の仕組みを提供する。以上より、看取りに関する地域での情報共有が可能になると考える。 また、④地域懇談会の定期的開催により地域における看取りをめぐる課題整理と地域ネットワークをつくり継続開催できる仕組みづくりを行うとともに、⑤結果の整理、学会や論文発表につなげていけるようにする。
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Causes of Carryover |
当該助成金残額が生じた理由は、これまで予定していた「在宅看取りを考えるワークショップ」と「地域懇談会」の実施が遅れたことがあげられる。今後の研究の推進方策に述べたが、次年度の計画を進めるにあたり、インタビュー調査費と謝礼、冊子体の印刷費用、ワークショップと地域懇談会の開催費用、動画作成費用、データ入力作業等の出費が考えられる。こうした取り組みをしていくための費用として計上したいと考えている。
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