2019 Fiscal Year Research-status Report
被服工場で働く女性の仕事のストレス及び生活ストレスと爪コルチゾールの関連
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19K11211
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Research Institution | Ube Frontier University |
Principal Investigator |
川崎 幹子 宇部フロンティア大学, 人間健康学部, 准教授 (50562683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 光紀 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (80333384)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 爪 / コルチゾール / ストレス / 精神神経内分泌 / 努力-報酬不均衡 / 労働者 |
Outline of Annual Research Achievements |
被服工場で働く、平常期(4月中旬から12月)を示す、安定期Ⅰの239名(女性195人、男性44名)、安定期Ⅱの186名(女性147名、男性39名)、学生服の発注が多く、1年を通して最も忙しい時期(1月から4月中旬まで)を示す、繁忙期の186名(女性147名、男性39名)を対象に、工場が忙しくない、安定期Ⅰ、安定期Ⅱと繁忙期の値を示す2時点において、質問紙 (年齢、性別、既婚の有無、BMI、喫煙状況、内服状況、うつ病尺度、飲酒の状況、平日の睡眠時間、現病歴、休日出勤、残業時間、配置転換などのライフイベントの有無) を調査した。コルチゾールの上昇が手の爪に3~4か月後に現れると予想されている数日から数か月間にわたる大域的な変動を反映し過去にさかのぼって評価が可能と思われるため、質問紙への記入は、爪を採取する4ヵ月前とした。尺度は、努力-報酬不均衡調査票の短縮版の信頼性・妥当性が確認された日本語版を用いた。質問項目は、努力項目として「仕事の負担が重く、常に時間に追われている」など3項目、報酬項目として「私は、上司もしくはそれに相当する人からふさわしい評価を受けている」など7項目の合計10項目からなり、回答は「ちがう、ややちがう、まあそうだ、そうだ」の4件法である。努力 /報酬比=(努力合計得点)/(報酬合計得点*(3/7))を計算し、努力が報酬を上回る(努力/報 酬比>1)ほど、努力-報酬不均衡の状態を示す。本研究では短縮版を用いたので短縮版の基準値(努力/報酬比>1.4)を用いて努力-報酬不均衡を評価した。また、10本の指から爪試料を採取し、爪コルチゾールの測定を行った。ストレスのアウトカム指標としての爪コルチゾールの測定は、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所で行った 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年の調査、安定期Ⅰにおいて、ERIモデル「努力」と爪コルチゾールの間に関連が認められた(β= .209、p = 0.012)。2018年~2019年度の調査、安定期Ⅱにおいては、ERIモデル「報酬」と爪コルチゾールの間に関連が認められた(β= -0.168、p = 0.015)。一方、繁忙期については、解析中である。その他として、研究に参加された2017年度の安定期Ⅰの239名と同様に、2018年~2019年度の安定期Ⅱおよび繁忙期の186名全ての方へ、質問紙と爪コルチゾールの結果をすでにフィードバックした。また、2019年度、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所で研修を行い、爪コルチゾール測定の手技を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、安定期で得られた結果を論文執筆中である。今後は、Journal of Occupational Healthに投稿予定である。また、繁忙期の解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
国際学会に投稿する論文英文校正費、国際学会入会費、国際学会論文投稿費が必要である。また、結果によっては、追加で調査を必要とした場合は、追跡及び追加で調査を行う予定である。
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