2020 Fiscal Year Research-status Report
被服工場で働く女性の仕事のストレス及び生活ストレスと爪コルチゾールの関連
Project/Area Number |
19K11211
|
Research Institution | Ube Frontier University |
Principal Investigator |
川崎 幹子 宇部フロンティア大学, 人間健康学部, 准教授 (50562683)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 光紀 国際医療福祉大学, 医学研究科, 教授 (80333384)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 爪 / コルチゾール / ストレス / 精神神経内分泌 / 努力-報酬不均衡 / 労働者 / メンタルヘルス / ライフイベント |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、毛髪や爪などの侵襲性の低い試料によって、ストレスを評価する研究が進展し、爪内のコルチゾールの検出技術は確立されつつある(Andrew D. et al.2018)。この検出技術を用いて、爪内のコルチゾールを測定した結果、中高年の労働者で高ストレスを感じる者は測定値が高いことが報告されている(Izawa et al., 2017, Andrew D. et al.2018)。しかし、これらの研究の欠点は、生活上のストレスを十分考慮しておらず、エビデンスとしては不十分であると言わざるを得ない。そこで本研究では、この欠点を克服すると同時に、労働者に負担が少なく、簡便で正確にストレス度をとらえる指標を開発することを目的とした。このことによって、職場ストレスの生物学的メカニズムを解明し、職域において簡便に利用できるシステムを開発することは極めて重要であり、産業看護及び健康科学的意義と独創性があると考える。本研究により労働者の過重労働・職場ストレスの客観的マーカーを提示できれば、過重労働やストレス対策、種々の生活習慣病の予防への貢献、主観的査定からの脱却による裁判等の司法上の諸問題の解決等、社会への広範な影響を与えることが可能となる。 本研究では、慢性ストレスを反映する爪内コルチゾールに着目し、被服工場で働く女性250名を対象に1.職場ストレス、生活ストレスやライフイベントの影響を爪コルチゾールで評価すること、2.工場が忙しい時期(繁忙期)とそうでない時期(平常期)における爪内のコルチゾールを比較すること、3.ストレス低減対策による爪コルチゾールの変化、を明らかにするとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究結果を対象者全員にフィードバックすることにより、信頼を得ることができた。コロナ禍であったが、対象施設の協力が得られ、実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、ストレス評価指標としての有用性検討を行う予定である。また、論文投稿予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度、論文を執筆するにあたり、英語論文校閲代金、論文投稿にあたり、論文投稿代金を担保するために、前年度の予算を繰り越し使用することとした。
|