2023 Fiscal Year Research-status Report
Survey of violence against women at a refugee settlement in Uganda.
Project/Area Number |
19K11212
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Research Institution | St. Mary's College |
Principal Investigator |
秦野 環 聖マリア学院大学, 看護学部, 准教授 (00352352)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 女性を対象とした暴力 / 被害者による被害者支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
2024年2月14日(出国)~2月29日(帰国)の14日間、研究対象地ウガンダ共和国キリヤンドンゴ難民定住地(以下、難民定住地と記す)を中心に女性を対象とした暴力(以下、SGBVと記す)に関し調査した。 ウガンダ到着後、ウガンダ政府総理府難民局を訪問、難民定住地訪問の許可を得て、2月18日に当該定住地に移動、翌19日から調査を行った。調査開始にあたり、前年度の調査時からの調整役である女性難民代表者と今回の調査に関し協議・調整を行い、開始した。 昨年度の調査時(個別面接)に、今年度のFocus Group Discussion(以下、FGD)の実施予定を伝え、参加への意思を示した者17人全員にコンタクトを行った。17人中、連絡がつき研究者の当該定住地滞在中にFGDに参加可能な方々は、14人であった。 14人に対しFGDの目的を含みオリエンテーションを行い、3つのグループに分け、3日間かけてFGDを行った。参加者は第1グループに5人、第2グループに4人、第3グループに5人となった。ひとつのグループを除き、SGVBの蔓延とその被害が語られ、それが故の生活の困難などを話した。今回のFGD参加者の多くが自身も被害経験者であるため、自身の近隣でSGBVが発生した際、自身の経験やNGOでのトレーニング経験などをもとに、主には心的支援を行ってきていた。FGD参加者の一部は、SGBVの発生に関して認めてはいるが、大きな問題にはなっていないとする参加者も存在した。女性難民の間においても、難民定住地という社会における、それぞれの立場による状況の認識に差異が認められた。 国連難民高等弁務官事務所当該定住地事務所によると、SGBV発生は認められているが、資金削減により、以前のような啓発キャンペーンの開催が困難であること、加えて、スーダン難民受け入れによる、今後の困難が予想されるとも語られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度開始予定であった調査だが、新型コロナウィルスパンデミックにより開始が遅れている。難民定住地を訪問しての調査は今年度までであるが、令和6年度に論文の完成を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に必要な研究対象者からの情報収集は終えている。研究対象者の個人面接、FGDに語られた内容、国連難民高等弁務官事務所、定住地内ヘルスセンターと警察署などから収集した情報をもとに、当該難民定住地における暴力の実態として論文の完成を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症による渡航制限などで研究開始が遅れ、論文作成などが遅れているため、学会発表や投稿ができていない。今後、研究完成後の学会発表や論文作成後の雑誌への投稿、別刷りなどに利用の予定である。
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