2019 Fiscal Year Research-status Report
看護とICTの融合で「安全・安心・安寧」な災害時避難生活を支援するための基礎研究
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19K11228
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大山 太 東海大学, 医学部, 准教授 (30398531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩樹 前橋工科大学, 工学部, 教授 (30269302)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遠隔医療 / 災害医療 / 災害通信 / 災害看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施初年度にあたり、研究チームでの役割や研究の方向性の確認作業、実験のためのフィールド開拓のための調査と段取りを主に実施した。共同研究者の松本氏を始め、本研究に参加するすべての研究者と意見交換を行い、具体的な研究の方向性としてあらゆる可能性を考えつつも、最低限の通信手段でまずは開発をすすめることとした。また本研究において実際の実験フィールドとして予定している岩手県遠野市、沖縄県宮古島市の各町を調査し、今後の具体的な実験方針もある程度確定した。本研究は実験室レベルの完成を目指すものではなく、実際の現場応用を目指しており、その検証を行うためのフィールド作りは大変に重要な位置を占める。特に、遠野市はその都市のスケールサイズや地理的条件が、本研究におけるモデル都市として大変に好都合であることがわかった。研究のためのさまざまな支援を遠野市や関係する医療従事者からも受けることも出来、今後の研究を円滑に進める段取りができあがった。また宮古島市においても、プライマリーヘルス・ケアを実践する医療機関とも密に研究共同の準備ができた。2020年度は、これらのフィールドで実験をするための具体的なシステム開発を目指す計画である。 また、本年度はプロトタイプの通信機器として作成したデジタル簡易無線を利用した医療情報伝送装置を用いたフィールドでの通信実験を行った。実験の結果、半径20Km程度の範囲で利用が可能であることがわかった。このスケールであれば、災害時にいくつかの拠点となる施設や病院までのアクセスが出来る。そこからより強力な通信手段で中央に情報集約するような方法や仕組みを考えれば、本研究で行っている事は災害時の実践利用にも十分耐えうる可能性があると確信した。なお、本結果は、途中報告として関連学会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に大きな問題はなく進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、我々は医療と工学が一緒になりチームとして研究をすすめ計画であるが、異業種をうまく融合して研究をするための具体的な段取りができた。特に、フィールド実験のための方向性を双方で確定した。今後はそれを元に工学的な視点での通信実験と医療としての妥当性を担保しながら同時に研究を進める計画である。そのためフィールドと実験室を往復して通信機器の作成と災害現場での利用のためのシステムづくりをする。
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Causes of Carryover |
当該年度で使用予定の予算を残して次年度への繰越をした。これは、現状使用している通信実験用の専用機器に不具合があり、2020年度の予算と合わせての購入が必要となったためである。これは研究の進行に大きな変更を生じさせるようなものではなく、研究計画で想定した範囲内のことである。
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Research Products
(1 results)