2020 Fiscal Year Research-status Report
看護とICTの融合で「安全・安心・安寧」な災害時避難生活を支援するための基礎研究
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19K11228
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大山 太 東海大学, 医学部, 准教授 (30398531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 浩樹 前橋工科大学, 工学部, 教授 (30269302)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遠隔医療 / 災害医療 / 災害通信 / 災害看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は災害時に被災地で活動する看護師をICT技術で遠隔よりサポートするための基礎的な研究である。本年度は、災害時に看護師が現場で被災者支援を行うことを想定したフィールド実験や様々な訓練会を通して通信装置面と看護師の活動面の両面から検討する予定であった。しかし、感染症蔓延防止の様々な対応に伴い、これらの多くの機会が失われることとなり、当初の予定を変更し、。今年度は災害現場で看護活動を支援するための医療情報を伝送するための通信実験を中心に行った。被災地から被災地外へいかに医療情報を早く確実に伝送できるかを中心に検証した。前年度は4値FSK(Frequency Shift Keying)を使う400Mhz帯デジタル簡易業務無線での情報伝送実験を行ったが、UHF帯の利用のために伝送距離は地形に大きく依存して、信頼できる伝送距離は10Km程度までであった。そのため本年度はこの状況を改善させるため、10ー100Km 程度の区間を、既存の公衆通信回線網を使用せずに情報を伝送する事を目指して実験を行った。この程度の距離を中継装置無しで無線伝送するためには、簡易無線程度の設備では不可能であり、周波数帯、送信出力、空中線、通信方式を総合的に調査する必要があった。そこで今回中心とした実験は、HF及びVHF帯を利用したデジタルデータ通信で行った。具体的には、7Mhz帯及び50Mhz帯のアマチュア無線の周波数で、 前方誤り訂正付きPSK(位相偏移変調) 、MFSK(複合周波数偏移変調) 、OLIVIA等複数のデジタルデータ通信を用いて、ダミーの医療情報を伝送した。その結果、長距離は伝送速度を落としても狭帯域で通信できる7MHZ、比較的近距離は50Mhz帯で帯域幅を広く利用してデータ伝送速度を高速化するなど使い分けることで実用に耐えうる可能性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
致命的な遅延ではないが、感染症蔓延防止対策のため、フィールド調査が制限されている。
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Strategy for Future Research Activity |
フィールド実験を中止もしくは延期し、または実験の順番を変えるなど工夫しながら最終的な結果が得られるようにする。
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Causes of Carryover |
感染症蔓延予防のため予定していた実験が実施できなかったため。次年度に、繰り越した分で実験を行う予定である。
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Research Products
(2 results)