2019 Fiscal Year Research-status Report
判別困難な不顕性誤嚥における嚥下障害スクリーニングモデルと測定機器の開発
Project/Area Number |
19K11230
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
留畑 寿美江 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (40360995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 港 関東学院大学, 理工学部, 助手 (00773350)
藤井 千里 佐久大学, 看護学部, 講師 (80737651)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不顕性誤嚥 / 嚥下障害スクリーニング / 高齢者 / 嚥下音周波数 / 嚥下評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的な嚥下障害に対するスクリーニングテストには、軽度の嚥下障害例を選別することはできない問題点がある。介護老人保健施設や特別養護老人ホームでも日常生活援助を担う看護師が嚥下状態について、非侵襲的かついつでも実施できる簡便な客観的評価方法が必須である。既存の嚥下音聴取とその嚥下音分類による評価基準を参考に、嚥下音の分類を周波数分析によって病態の根拠を明らかにでき、長時間の測定も継続的に簡便に可能となる機器の作成が急務である。 本研究の目的の第一は、非侵襲的かつ科学的な嚥下機能評価を簡便に行うことができる測定・評価機器システムを構築することである。また、目的の第二は、測定・評価機器システムの嚥下状態の評価ツールとしての実用性と信頼性を検証することである。 2019年度は、嚥下機能を簡便に評価する測定・評価機器システムの構築に取り組んだ。被験者が違和感なく装着できる咽頭マイクの仕様および頚部の筋電図の測定部位と方法を繰り返しのシミュレーションを行いながら検討を重ねた。また、筋電および音声、画像を同時に測定とデータ保存が可能となるシステムを作成した。さらに、デモデータでの解析プログラミングに取り組んでいる。 今後は、健康な20歳代10名でのプレテスト、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした嚥下機能評価を実施していく。 被験者の嚥下機能評価の実施がCOVID-19に影響により困難であることを踏まえ、2020年度の研究は、健康な20歳代10名でのプレテスト、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした嚥下機能評価の実施について、研究代表者所属機関における研究倫理審査委員会の承認を得る。さらに、シミュレーションで収録できたデモデータでの嚥下タイプを周波数と波形から判別可能となる解析プログラミングをさらに進め、精度の高い解析プログラムの開発に取り組む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の研究計画は、①嚥下機能計測・評価機器の作成と解析プログラムの作成、②嚥下音と頸部血流音の判別プレテストの実施とした。 ①嚥下機能計測・評価機器の作成と解析プログラムの作成については、 咽頭マイクの仕様および頚部の筋電図の測定部位と方法のシミュレーションを行いながら検討を重ねた。また、筋電および音声、画像を同時に測定とデータ保存が可能となるシステムを作成した。さらに、デモデータでの嚥下音の周波数を既知の嚥下タイプ別波形を参考にしつつ、解析している。これにより嚥下タイプを周波数と波形から判別可能となる解析プログラミングに取り組んでいる。 ②嚥下音と頸部血流音の判別プレテストの実施については、研究メンバーと勉強会を重ね、測定項目を嚥下音、頚部筋電図、嚥下姿勢画像とした。プレテストは、測定機器の準備に多くの時間を要したため、研究者メンバー内にとどまっている。 2019年度の研究計画は概ね順調に実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度においては、COVID-19感染に伴い、密な環境となるシミュレーションおよび健康な20歳代10名でのプレテスト、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした嚥下機能評価の実施が困難であることが予測される。感染収束状況に応じて、対人評価を検討していく。 被験者の嚥下機能評価の実施が困難であることを踏まえ、2020年度の研究は、健康な20歳代10名でのプレテスト、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした嚥下機能評価の実施について、研究代表者所属機関における研究倫理審査委員会の承認を得る。さらに、シミュレーションで収録できたデモデータでの嚥下タイプを周波数と波形から判別可能となる解析プログラミングをさらに進め、精度の高い解析プログラムの開発に取り組む。
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Causes of Carryover |
嚥下評価の測定項目を嚥下音、頚部筋電図、嚥下姿勢画像に変更したため、プログラミングの作成に2020年度も継続する必要が生じた。また、COVID-19に伴い、健康な20歳代を対象としたプレテストを実施できなかったため、次年度の経費として繰り越しとした。 使用計画は、ワイヤレス生体計測装置一式の購入および被験者への謝金とする。
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