2020 Fiscal Year Research-status Report
判別困難な不顕性誤嚥における嚥下障害スクリーニングモデルと測定機器の開発
Project/Area Number |
19K11230
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
留畑 寿美江 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (40360995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 港 関東学院大学, 理工学部, 助手 (00773350)
藤井 千里 佐久大学, 看護学部, 講師 (80737651)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 不顕性誤嚥 / 嚥下障害スクリーニング / 高齢者 / 嚥下音周波数 / 嚥下評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、非侵襲的かつ科学的な嚥下機能評価を簡便に行うことができる測定・評価機器システムを構築すること、測定・評価機器システムの嚥下状態の評価ツールとしての実用性と信頼性を検証することである。 2019年度に構築した嚥下機能を簡便に評価する測定・評価機器システムと、咽頭マイクの仕様および頚部の筋電図の測定部位と測定方法のシミュレーションを行った。また、筋電および音声、画像を同時に測定とデータ保存が可能となるシステムを作成した。 これらのシステムを用いて、2020年度は健康な20歳代10名でのプレテスト、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした嚥下機能評価を予定していたが、COVID-19の感染拡大により高齢者施設との研究調整は延期となった。また、同様に健康な20歳代を対象としたプレテストも飲食を伴う本調査であることから感染予防の観点から実施を見送った。 本年度は、嚥下評価に関する文献の整理や感染症が終息していく過程で実施可能な調査の模索を行いつつ、高齢者の特性を知るために耳鼻咽喉科一般外来を受診した高齢者の嚥下機能の低下と飲水時の頚部角度について調査し、学術集会で発表した。 2021年度の研究は、当初の予定であった健康な20歳代10名でのプレテスト、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした嚥下機能評価の実施について、感染症予防対策を加えた内容で研究代表者所属機関における研究倫理審査委員会の承認を得る。さらに、シミュレーションで収録できたデモデータでの嚥下タイプを周波数と波形から判別可能となる解析プログラミングをさらに進め、精度の高い解析プログラムの開発に取り組んでいく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症により、高齢者を対象とした介入調査はおろか高齢者施設への研究場所の視察も実施することができなかった。また、研究者が所属している教育・研究機関では、教育活動すらオンライン対応や学生の入構制限などによる感染予防対策の強化が必要であったため、健康な20歳代を被験者としたプレテストも実施することができなかった。 一方で、高齢者の特性を知るために耳鼻咽喉科一般外来を受診した高齢者の嚥下機能の低下と飲水時の頚部角度について調査から、高齢者は体幹機能や体力の低下により、飲水時に無自覚的に頸部を後屈位にする傾向があることがわかった。 高齢者を対象とした調査のための倫理的配慮に感染症予防対策を加え、調査の実施に向けて高齢者施設と情報交換と調整を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
健康な20歳代10名でのプレテスト、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした嚥下機能評価の実施について、感染症予防対策を加えた内容で研究代表者所属機関における研究倫理審査委員会の承認を得る。さらに、シミュレーションで収録できたデモデータでの嚥下タイプを周波数と波形から判別可能となる解析プログラミングをさらに進め、精度の高い解析プログラムの開発の取り組んでいく。 また、嚥下評価機器の開発と評価ツールの作成について、学会発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、健康な20歳代10名でのプレテスト、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした嚥下機能評価の実施ができなかった。2021年度は感染症予防対策を研究プロトコールに加え、調査を実施するために次年度に助成金を繰り越すこととした。
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