2022 Fiscal Year Research-status Report
判別困難な不顕性誤嚥における嚥下障害スクリーニングモデルと測定機器の開発
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19K11230
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
留畑 寿美江 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (40360995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 港 関東学院大学, 理工学部, 助手 (00773350)
藤井 千里 佐久大学, 看護学部, 講師 (80737651)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 不顕性誤嚥 / 嚥下障害スクリーニング / 高齢者 / 嚥下音周波数 / 嚥下評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の本研究は①嚥下障害を主訴としない耳鼻咽喉科外来患者の飲水時における頸部姿勢の検討および②嚥下音から形状の異なる3飲食物の判別可能な周波数帯の探索の実施と報告を行った。 ①嚥下障害を主訴としない耳鼻咽喉科外来患者の飲水時における頸部姿勢の検討においては、幼児から高齢者の患者129名、35.1±33.7(4-94)歳対象に通気療法における水の飲み込み時の頸部姿勢の実態調査をした。患者129名のうち24名が水の飲み込む時に頸部を後屈させて嚥下した。後期高齢者は前期高齢者および64歳以下より有意に飲水のために顎を挙上させる姿勢をとっていた。高齢者は飲水時に無自覚的に頸部を後屈位にする傾向があった。一方、頸部を後屈位として勢いよく飲水する小児症例や痩せ体型の成人にも頸部を後屈位が認められた。 ②嚥下音から形状の異なる飲食物の判別可能な周波数帯の探索としては、 嚥下音から正常と異常な咽頭期の動きを分類することが可能になっている一方で、食事時の嚥下評価では正常とされながらも、高齢者には不顕性誤嚥を有する者が多い。本研究は20歳代15名を対象に咽喉マイクを装着して飲料水、ゼリー、固形物の3種を食した際の嚥下音を聴取し、音声ピーク値におけるパワースペクトルの周波数分布から飲食物の判別が可能な周波数帯を探索した。音声信号に対し、咽頭期に相当する各嚥下試行における音声信号振幅のピーク値の前後0.5秒間を抽出し、複素Morlet関数を基底とする連続ウェーブレット変換に基づく時間周波数変換を行った。反復測定分散分析の結果,中心周波数が443Hz-1232Hzの範囲において、いずれもゼリー条件におけるパワーが他2条件よりも小さかった。食形状の違いによる咽頭期の嚥下音を判別することが可能である示唆が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、嚥下障害スクリーニングが可能なプログラムを用いて介護老人保健施設に入所している高齢者を対象に、嚥下評価を行う予定であった。しかしながら、コロナ禍の影響で介護老人保健施設での調査は、施設に研究者が訪問することができなかった。そのため、現在までの進捗は予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Covid-19による影響を考慮し、介護老人保健施設の施設長やスタッフとの研究ミーティングを進めながら、介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした調査を計画している。また、嚥下障害スクリーニングの実装プログラムの精度高めるために、高齢者のデータだけではなく、若年層の嚥下音も併せてプログラムを作成していく。
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Causes of Carryover |
2020年1月以降2022年度末までの期間において、Covid-19の感染拡大とその影響により人を対象とした対面での調査が若年層のデータ収集の機会の遅延、さらに介護老人保健施設への出入りが全くできなかった事由により、本研究の計画が大幅に遅延している。2023年度は、介護老人保健施設での介入調査が可能となる見込みが立ったことで、調査に要するデータ収集および解析にかかわる研究協力者への謝金、調査に協力してくださる高齢者への謝金、嚥下障害プログラムの再構成への機器の整備と専門的知識への謝金に助成金が必要である。
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