2023 Fiscal Year Research-status Report
判別困難な不顕性誤嚥における嚥下障害スクリーニングモデルと測定機器の開発
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19K11230
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
留畑 寿美江 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (40360995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 港 関東学院大学, 理工学部, 助手 (00773350)
藤井 千里 佐久大学, 看護学部, 講師 (80737651) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 不顕性誤嚥 / 嚥下障害スクリーニング / 高齢者 / 嚥下音周波数 / 嚥下評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
頸部嚥下音聴取法は食塊を嚥下する際に咽頭部で生じる嚥下音や嚥下前後の呼吸音を頸部にあてた聴診器で聴取することで、主に咽頭期における嚥下障害を判定する方法である。 嚥下音から正常と異常な咽頭期の動きを分類することが可能になっている一方で、食事時の嚥下評価は正常とされながら、高齢者には不顕性誤嚥を有する者が多くいる。 本研究では、異常な嚥下音の判別が可能な周波数帯の有無を探索し、不顕性誤嚥のスクリーニングモデルの開発を目指している。 嚥下障害を有さない20~40歳代26名(男性16名、女性10名)を対象に咽頭マイクを装着し、液体(飲料水)、半固形(ゼリー)、固形(おにぎり)の3種を食した際の嚥下音を聴取した。嚥下異常音として参考文献に示された詰まり音および反射遅延音と、本研究で収集した正常嚥下音を比較した。結果として、正常な半固形物の嚥下音は異常音と共通して2000Hz付近にピークをもつことが確認された。異常音:詰まり音では、正常音のパワーが詰まり音に比べて有意に高いことが認められた。また異常音:反射遅延音においても正常音のパワーが有意に高いことが認められた。 一方、高齢者の嚥下音による解析は、Covid-19感染症により2020年度から2022年度の3年間にわたり、研究の一時中断を余儀なくされデータ収集を行うことはできなかったが、2023年度に新型コロナ感染症が第5類感染症移行され、引き続き感染症予防対策を講じながら、介護老人保健施設に入居している高齢者30名の嚥下音を聴取することができた。 今後は、高齢者を対象とした嚥下音の解析、機器のウェアラブル化、判別機器の実装、スクリーニングモデルの構築に向けて取り組んでいく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19感染症による感染予防対策として、対人交流・対面時はマスク常用や孤食、食事時のマスク不使用によるコミュニケーションの禁止、高齢者施設への出入室の制限等により、本研究の課題としている高齢者の嚥下音の聴取は施設、対象、介入場面のすべてにおいて、2020年度から2022年度の3年間にわたり、研究の一時中断を余儀なくされた。そのため、予定していた高齢者を対象者としたデータ収集が行えず、研究計画は遅れている。 2023年度に新型コロナ感染症が第5類感染症移行され、引き続き感染症予防対策を講じながら、介護老人保健施設に入居している高齢者30名の嚥下音を聴取することができた。データ解析、スクリーニングモデルの構築のため2024年度は研究を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度にCovid-19感染症が第5類感染症移行され、引き続き感染症予防対策を講じながら、介護老人保健施設に入居している高齢者30名の嚥下音を聴取することができた。今後は、高齢者の嚥下音を若年者の正常音を示すデータと比較しつつ、嚥下音の解析、機器のウェアラブル化、判別機器の実装、スクリーニングモデルの構築に向けて取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
2020年度から2022年度の3年間、Covid-19感染症のよる介護老人保健施設に入居している高齢者を対象とした嚥下音の聴取ができなかった。2023年度には継続的な感染予防対策を講ながら高齢者の嚥下音のデータ収集が可能となり、30名のデータを得ることができた。 このデータの解析、判別機器の実装、スクリーニングモデルの作成には2024年度も継続的な研究が必要である。研究遂行にあたっては、研究費の継続使用も必須である。
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