2021 Fiscal Year Research-status Report
服薬ゼリーを利用した薬剤投与における物性変化が患者に与える影響
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19K11231
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
飯村 菜穂子 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (00232140)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 服薬ゼリー / 嚥下困難 / 製剤物性 / 粘性 / 高齢者医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における死亡原因の1つに誤嚥性肺炎があげられる。誤嚥性肺炎は、細菌を体内に取り込んでしまい感染を起こす感染症の一種としても知られている。その原因は、嚥下機能が低下し、口腔内にある食べ物や唾液が誤って気道内に入る「誤嚥」と考えられている。誤嚥は、嚥下の時だけではなく、口で咀嚼している時や就寝時でも起きることがあるため、特に嚥下機能の低下が見られる高齢者は注意が必要である。嚥下機能が低下している人の薬物療法における服薬にも同様の配慮が必要である。近年では服薬をスムーズに行うための1つの方法として、服薬ゼリーが用いられている。筆者はこれまでの研究において、服薬ゼリーに混合する薬物の性質や薬剤に含まれる添加剤の種類によって、服用時の流動性や粘性に影響を及ぼすことを明らかにしてきた。2021年度の研究では、高齢者の罹患率を勘案しながら、比較的使用頻度が高いと思われる薬剤の中から降圧薬、漢方薬を選択し、服薬ゼリーと混合することによる服薬ゼリーの流動や粘性への影響について検討を行った。研究に使用する服薬ゼリーはOTC薬局等でも市販されている商品の中から数種を選択し、検討を行った。その結果、服薬ゼリーと降圧薬や漢方薬を組み合わせることによって、服薬ゼリーの流動に変化が見られ、さらに先発品と後発品では同じ有効成分を含む医薬品であっても、服薬ゼリーの流動に相違が見られることも分かり、医薬品添加剤等の影響が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、コロナの影響を受け、申請書に記載した計画すべてを実行することができなかったが、一部実行できた内容については論文作成まで行った。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に進める予定にしていた内容について、コロナの影響で実施できなかった部分については今一度実行する予定である。服薬ゼリーの使用頻度が高いと思われる高齢者にターゲットし、高齢者に適用される頻度が高いと思われる漢方薬、コリンエステラーゼ阻害薬等の製剤と服薬ゼリーの相互作用についてレオロジー特性の観点から検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナの影響により、研究計画がスムーズに進めることができなかったため
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