2019 Fiscal Year Research-status Report
Study of the scale development of work stress and the elucidation of the reality for small and medium-sized enterprisemanagers
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19K11233
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Research Institution | Momoyama Gakuin University of Education |
Principal Investigator |
栗岡 住子 桃山学院教育大学, 教育学部, 教授 (20736516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 克之 関西大学, 社会安全学部, 教授 (10268328)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中小企業経営者 / 職業性ストレス / 尺度 / フランス / メンタルヘルス / 実態把握 / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)平成28年度AMAROKデータ解析: 調査に協力が得られた中小企業経営者302人を分析した結果、第1に中小企業経営者の職業性ストレスは一部を除き、一般労働者と比較して良好な状態であった。第2に男性経営者と比較して、女性経営者の方が仕事の量的負担が高く、従業員などによるソーシャルサポートが低い傾向であった。第3にアウトカムとして、一般労働者と比較して心身の健康状態が良好であるが、心理的ストレス反応が高かった。本調査で利用した職業性ストレス調査票では、被雇用者である一般労働者を対象に作成されたもので、ストレス要因が異なる経営者の職業性ストレスを適切に把握できなかった可能性も考えられる。中小企業経営者の特性に応じた調査票の作成が必要であることが示唆された。 (2) 中小企業経営者に対するインタビュー調査:当初フォーカスグループインタビュー実施予定(15人×2回)であったが、新型コロナウイルス感染拡大のため、個人に対するインタビューに変更し、19名の中小企業(小規模事業所含む)経営者に対する、職業性ストレスの要因に関するインタビュー(半構造化面接)を実施した。インタビュー結果は、現在書き起こしを行っている。インタビュー結果から中小企業経営者の特性抽出を行い、その結果を尺度開発につなげる予定である。 (3)中小企業経営者の職業性ストレスに関する先行研究の調査:中小企業経営者のメンタルヘルスに関わる現状理解と今後の課題を整理することを目的に、関連の論文を確認しており、今後論文化の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度AMAROKデータ解析及中小企業経営者に対するインタビュー調査、中小企業経営者の職業性ストレスに関する先行研究の調査ともに、ほぼ順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
先行研究と平成28年度の日仏の調査結果及びインタビュー調査をまとめて、中小企業経営者の職業性ストレスの特性を明らかにすることで、尺度を開発する予定である。尺度開発の後には、具体的な項目と選択肢、評価方法を検討したうえで、令和2年度においては、約1000名の中小企業経営者を対象にwebによる調査を実施する予定である。 また、令和2年度においては1年目に分析した結果や、web調査結果による尺度の妥当性信頼性について公表していく予定である。
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Causes of Carryover |
令和元年度は、コロナウイルス感染拡大のためインタビュー調査が十分できなかったうえ、発表や参加予定の学会や研修会が中止になり、その結果、旅費・参加費用等の経費を使用しなかった。そのため令和元年度に使用しなかった助成金については、支出額が多いと予測される令和2年度のweb調査の費用として計上する計画である。
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