2022 Fiscal Year Research-status Report
臨床実用化に向けた「退院先選択のための意思決定ガイド」の効果検証と標準化への提言
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19K11244
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
青木 頼子 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (40533477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
米倉 佑貴 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50583845)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 意思決定支援 / Decision aid / 無作為化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳卒中高齢者と家族の価値観に合った意思決定支援ツール(Decision aid; DA)の使用が、退院先の意思決定における葛藤と参加に与える影響を無作為化比較試験により評価することを目的とした。脳卒中高齢者を対象に、病室ごとに介入群と対照群に無作為に割り付けた。介入は入院から退院まで2ヶ月間行い、調査は入院時と退院時の2回実施した。介入群にはDAを、対照群にはパンフレットを提供した。主要評価項目は意思決定の葛藤(Decision conflict scale;DCS)、副次評価項目は意思決定の参加(Control preference scale;CPS)とした。DCSとCPSの群間差は、それぞれ対応のないt検定とz検定で分析した。さらに、サブグループ分析を追加した。その結果、介入群51名、対照群48名の計99名をFAS分析対象者とした。介入群では、入院時に退院先をすでに決めていた対象者が有意に多く、退院先が有意に「入院前と同じ場所」であった。DCSとCPSのスコアには、グループ間で有意な差は認められなかった。サブグループ分析の結果、DAには、特に退院先を決められない一人暮らしの対象者や、75歳以上の高齢者の価値観を明確にすることで不確実性を減らし、参加率の低下を抑制する傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスにより、研究対象施設への立ち入りが不可能となったが、それまでに収集していた対象者数で分析を実施し、結果を導き出せたため。
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Strategy for Future Research Activity |
結果内容を整理し、現在英文雑誌に投稿中である。今後は、査読、修正過程を経て受理、公開できるように準備を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表経費、論文投稿料(オープンアクセス料金)が、学会形態(WEBか対面か)や投稿先によって変動したため。次年度は論文投稿料として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)