2019 Fiscal Year Research-status Report
認知症のアートセラピーに焦点を当てた日本語版評価尺度の開発と信頼性・妥当性の検証
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19K11257
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
川久保 悦子 城西国際大学, 看護学部, 准教授 (30614698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 良雄 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (70334117)
岡 美智代 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10312729)
井上 映子 城西国際大学, 看護学部, 教授 (80194059)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / アートセラピー / アクティビティ / 評価尺度 / 日本語版 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究①「The Greater Cincinnati Chapter Well-Being Observation Toolの英語版オリジナル尺度を日本語に翻訳し、日本語版尺度を開発」は行った。既に、The Greater Cincinnati Chapter Well-Being Observation Toolの原作者の許可は得ているので、次の手順で行った。(1)質問項目の英語の意味を理解するために、看護研究者2 名が別々に日本語に翻訳し、その後、共同で概念の検討を行った。(2)日本人バイリンガルによる(1)の検討。医療者ではないがアメリカに在住したことがあり、UCLA の大学院で博士号をとり大学で外国人学生へ英語で授業を行っている日本人研究者が(1)の邦訳を修正した。(3)看護研究者2名に、さらに異言語尺度開発の経験のある研究者を1 名加えた3 名で、(2)について英語版と、日本語版の概念と語義の検討を行った。(4)バイリンガルによる検討。(3)の邦訳を英語ネイティブスピーカーで、翻訳や通訳の経験もある外国人翻訳家に依頼し、日本語から英語への反訳を行った。(5)看護研究者と異言語尺度開発研究者による検討。(4)の結果をさらに(3)のメンバー3 人が検討し日本語版を修正した。これらのコンサルテーションの後に、日本語版The Greater Cincinnati Chapter Well-Being Observation Tool を作った。 研究②「開発した日本語版尺度の信頼性・妥当性を検証」については途中段階である。高齢者にアートセラピーを行い作業中の様子をビデオ撮影した。映像40シーンをCD化した。パイロット研究として5名の学生に作成した日本語版尺度を用い映像の評価をしてもらい尺度の洗練化まで行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2月、3月に学生40名を集めてビデオ視聴と評価をしてもらう予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で学生を大学に集めることができず、学生による尺度の評価まで至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度:学生40名が割り当てられたビデオシーンを視聴しながら10分おきに行動や言動を日本語版尺度を用いて評価する。記入した測定尺度の解析を行い、信頼性・妥当性を検討する。統計解析にはSPSS ver25 を使用する。項目分析は、19 項目の日本語版尺度の天井効果とフロア効果の有無をみる。探索的因子分析を行い、各項目の内容と因子負荷量を考察する。全体、各領域の信頼性分析によるI-T 相関やCronbach のα係数を算出する。同一評価者によるテスト再テストを行う(1 回目と2 回目の合計得点の相関係数を算出する)。他者評価による2評価者の得点の一致として2 評価者間の得点の差の絶対値、平均、標準偏差を求める。 2021年度:この日本語版尺度を用いて高齢者施設で行われているアクティビティを評価し、この日本語版尺度の使用可能性を探る。この日本語版を用いて高齢者施設で行われているアクティビティを評価する。また、この日本語版尺度を国内で普及させるための手引書を作成する。
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Causes of Carryover |
学生のビデオ視聴と評価に対するバイト代として前倒し金を請求した。しかし2月から3月は新型コロナウイルス感染症の蔓延により、学生を大学に集めることができなかった。そのため次年度使用額が生じた。2020年度計画として、2020年6月~9月に学生を集め、作成したビデオを視聴してもらい、学生へバイト代を支払う。
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