2019 Fiscal Year Research-status Report
地域で生活する健康な高齢者の足トラブルを改善するフットケアプログラムの開発
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19K11266
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
魚里 明子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (90461160)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高齢者 / 足トラブル / フットケア / フレイル予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、地域在住の健康な高齢者の足トラブルの実態を明らかにし、フットケアを取り入れることによって転倒予防・筋力アップの効果をあげ、高齢者の日常生活動作改善や生活の質の維持・向上をめざすことを目的としたフットケアプログラムを開発することである。研究初年度である令和元年度の研究課題は、地域在住高齢者の足トラブルの状態やフットケアに関する意識の把握およびフットケア実施後の足の観察といった地域在住の健康な高齢者の実態を明らかにすることであった。健康な高齢者が集まっている「いきいき百歳体操」参加者を対象に、ミニ講演、質問紙調査と足の観察、足筋力、足指力、体組成等を測定した。 研究方法は、地域で開催されている「いきいき百歳体操」の場で、「フレイル予防とフットケア」というテーマでミニ講義および来所者の身体状況、足トラブルの状態を把握するために、体組成測定、握力測定、血圧・脈拍測定、足指筋力測定、足指力チェッカーを実施した。研究結果としては、年齢は全員70歳以上で男性1名、女性7名のデータが得られた。身体的には日常生活に支障のない程度であったが、筋力低下がみられる人もいた。足の状態については、足指力チェッカーの弱い人が多かった。参加者からは「このような内容は今まで体験したことがなかったので、よかった」という感想が得られた。 この結果は、「専門職による健康相談・保健指導の提供を行う地域に根付いた窓口に関する調査研究事業報告書」の1部に報告した(2020.3月発行)。今回の結果から、地域在住の健康な高齢者はフットケアに関心が高いということがうかがわれたので、より多くのデータを収集し、効果的なフットケアプログラムを考えていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和元年度の本研究の実施計画は、地域在住の健康な高齢者の足トラブルとフットケアの実態を明らかにすることをであった。文献レビュー、質問紙の作成、研究倫理審査委員会の承認を経て、1月から地域で開催されていた「いきいき百歳体操」参加者を対象に質問紙調査、足の観察、足筋力や身体測定を実施する予定で、関係機関に依頼をしていた。しかし、新型コロナウィルス感染拡大により、3月上旬に1回実施してからは、緊急事態宣言の発令、外出自粛、集会の禁止で、地域で開催されていた「いきいき百歳体操」は開催されなくなり、データ収集が中断してしまったことで、予定していたデータ数に到達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度の計画は前年度に引き続き、地域在住高齢者の足トラブルの状態やフットケアに関する意識の把握およびフットケア実施後の足の観察といった地域在住の健康な高齢者を対象に実態を明らかにすることとフットケアプログラムの作成を推進する。洲本市の「いきいき百歳体操」参加者を対象に、質問紙調査、足の状態観察、足筋力や足指力の測定、体組成チェック等と研究代表者によるフットケアを実施する。収集したデータを分析・評価し、理学療法士に専門的助言を得る。市保健師・看護師と結果分析・評価を行い、分析結果を基にフットケアプログラムの試案を作成する。「いきいき百歳体操」参加者を対象に、作成したフットケアプログラムを実践し、データ収集する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大予防のため、データ収集の場が開催中止になり、データ収集ができず、人件費や交通費を使用しなかった。また、参加予定であった学会が開催中止になったため、学会出張の旅費を使用しなかった。足の観察やフットケア時に使用するマスクや消毒液も新型コロナウィルス感染予防のために注文しても品物がなくて購入できなかった。 令和2年度は、研究対象者となる高齢者の集まる場が再開されると、実態調査とフットケアを実施し、予定通りに研究を推進していきたい。
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