2020 Fiscal Year Research-status Report
地域で生活する健康な高齢者の足トラブルを改善するフットケアプログラムの開発
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19K11266
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
魚里 明子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (90461160)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 健康高齢者 / 足トラブル / フットケア / フレイル予防 / セルフケア行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、地域在住の健康な高齢者の足トラブルの実態を明らかにし、フットケアを取り入れることによって転倒予防・筋力アップの効果をあげ、高齢者の日常生活動作改善や生活の質の維持・向上をめざすことを目的とした教室のプログラムを開発することである。今年度は研究2年目に入り、昨年度からの続きを以下の通り実施した。① 淡路市および洲本市に研究依頼をおこない、研究協力の承諾を得た。② 淡路市および洲本市の地域で開催されている「いきいき百歳体操」等の対象者に無記名自記式質問紙調査をおこない、淡路市16名、洲本市118名の合計134名の調査票が回収された。③ ②の調査協力者の中で、足の状態等の実態調査およびフットケア介入の研究に同意してくださった方が淡路市3名、洲本市50名の合計53名おり、再度研究協力の確認をしたところ、14名の方から研究協力の同意が得られ、データ収集した。④ 研究協力者に昨年度実施したフットケアプログラム内容である足の状態(足指力・足筋力・体組成チェック等)、セルフケア行動や意識といった実態調査および爪切りやマッサージ、角質除去といったフットケア介入をおこなった結果、男性4名、女性10名の合計14名のデータが得られた。⑤回収された質問紙調査134名の量的データについては、集計・分析中である。足トラブルについては、「足が冷える」が多く、「外反母趾や巻き爪で困っている」人もいた。爪切りなどセルフケア行動については、ほとんどの方が自分で実施できていた。⑥足の実態調査およびフットケア介入した14名については、データを整理し質的データとして分析中である。フットケア介入した研究協力者は、「日頃は足についての関心はあまりなかったが、足の大切さについて認識できた」という発言が多く聞かれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度の本研究の実施計画は、地域在住高齢者の足トラブルの状態やフットケアに関する意識の把握及びフットケア実施後の足の観察といった地域在住の健康な高齢者を対象に実態を明らかにすることであった。淡路市と洲本市の「いきいき百歳体操」等の参加者を対象に、質問紙調査、足の状態の観察、足筋力や足指力の測定、体組成チェック他と研究代表者によるフットケア介入をおこなった。 コロナウィルス感染症が収束せず、緊急事態宣言が発令される等感染防止のために人との接触が制限される状況で、データ数は当初予定していた数に達成するのは難しい状況ではあったが、可能な範囲でのデータ収集は実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である今年度の研究計画は、フットケア介入事例を増やしたいが、コロナウィルス感染症収束の見通しがたたないため、現在収集したデータ結果を分析、フットケアプログラムの試案を作成する。①回収された質問紙調査134名の量的データについては、集計・分析し、まとめる。②フットケア介入した14名については、データを整理し質的データとして分析し、まとめる。③研究分担者と結果を検討し、市役所保健師・理学療法士から助言を得て、フットケアプログラムの試案を作成する。④フットケアプログラムの試案を実施、その結果を研究分担者と分析・検証し、まとめる。⑤研究成果を報告書にまとめ、神戸女子大学看護学部紀要に投稿する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症が収束せず、感染を避ける行動を進める状況で、対面で実施するフットケア介入研究協力者が予測していた人数より少なかったため、アルバイトの謝金、会場使用料が少なかった。学会や研修会が、すべてオンラインになり、旅費の使用がなかった。 次年度は、データ収集やデータをまとめる際のアルバイト謝金、学会や研修会等の参加旅費、報告書の作成、学会誌等への投稿料等で使用予定である。
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