2019 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者の足趾運動の効果と転倒との関連 ロコモティブシンドロームを改善する
Project/Area Number |
19K11271
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
金森 昌彦 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (20204547)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ロコモテイブシンドローム / 足趾挟力 / 転倒予防 / 高齢者 / 地域在住 / 足趾握力 / 足趾10秒テスト / 足趾巧緻運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢者を対象に足趾運動とバランス感覚との関連性を分析し、足趾運動指導を介入することの意義について明らかにすることを目的としている。まず本研究の実施にあたり、富山県の市町村自治体に協力依頼を行った後に、自治体の長寿介護課および地域包括支援センター、社会福祉協議会の協力を要請し、介護予防事業などの講座に参加する高齢者を対象として本研究を実施することの承諾を得た(出前講座としてロコモテイブシンドローム講座を実施する富山福祉短期大学の協力を得た)。次に富山大学倫理審査委員会の承諾を得たうえで、患者同意書の作製、および本研究で使用する第1回目用調査用紙(基本チェックリストなど)第2回目用調査:介入運動の実施状況・足趾運動実施チェックカレンダー、転倒頻度調査書)のほか、ロコモ度テスト用紙(ロコモ25によるアンケート)を作成し、足趾10秒テスト、足趾挟力・足趾握力、開眼片脚起立立ち上がりテスト、2ステップテストの測定機器とその記録用紙などを準備した。また足趾筋力測定器、重心軌跡測定器を本研究費で購入した。これらにより実際の測定実施に対して概ね準備を整えることができた。本研究では高齢者の転倒予防に対しての科学的な啓蒙を目指しており、本研究の準備段階であったこれまでの研究経過を日本めまい平衡医学会総会にて演題発表(転倒骨折を生じた高齢患者における足趾力と重心動揺に関する検討、圧迫性頚髄症による重心動揺計を用いた平衡機能障害評価の意義)を行った。また情報収集のため日本整形外科学会基礎学術集会参加し、ロコモテイブシンドロームや転倒予防に関する最新の知見を得て今後の研究実施準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は本研究の準備段階であった。本研究では、高齢者を対象に足趾運動とバランス感覚との関連性を分析し、足趾運動指導を介入することの意義について明らかにすることを目的としている。まず本研究の実施にあたり、富山県の市町村自治体に協力依頼を行った後に、自治体の長寿介護課および地域包括支援センター、社会福祉協議会の協力を要請し、介護予防事業などの講座に参加する高齢者を対象として本研究を実施することの承諾を得た(4市町村)。次に富山大学倫理審査委員会の承諾を得たうえで、患者同意書の作製、および本研究で使用する第1回目用調査用紙(基本チェックリストなど)第2回目用調査:介入運動の実施状況・足趾運動実施チェックカレンダー、転倒頻度調査書)のほか、ロコモ度テスト用紙(ロコモ25によるアンケート)を作成し、足趾10秒テスト、足趾挟力・足趾握力、開眼片脚起立立ち上がりテスト、2ステップテストの測定機器とその記録用紙などを準備した。また足趾筋力測定器、重心軌跡測定器を本研究費で購入した。これらにより実際の測定実施に対して概ね準備を整えることができた。本研究では高齢者の転倒予防に対しての科学的な啓蒙を目指しており、本研究の準備段階であったこれまでの研究経過を日本めまい平衡医学会総会にて演題発表(転倒骨折を生じた高齢患者における足趾力と重心動揺に関する検討、圧迫性頚髄症による重心動揺計を用いた平衡機能障害評価の意義)を行った。また情報収集のため日本整形外科学会基礎学術集会参加し、ロコモテイブシンドロームや転倒予防に関する最新の知見を得て今後の研究実施準備を整えた。概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究2年目以降は実際の介入研究を行う予定である。まず地域の予防介護講座などで、研究に参加する同意を得た高齢者に、下記の調査(初回調査)を実施する。初回調査時に毎日実施する足趾運動について説明後実際に行い、足趾運動実施チェックカレンダーを配布する。3ヶ月後に2回目の調査を実施する。初回調査と2回目の調査を用いた前向き調査(初回調査から2回目調査の3ヶ月間)における転倒の有無による調査内容の比較を行う。介入群と非介入群を設定した前向き調査(prospective study)とし、データ解析を行う予定ある。足趾の運動は足趾狭力のみならず様々な動きをする。これを足趾力(伸展力、握力、挟力)と命名し、転倒要因につながるバランス感覚と関連するのではないかと考えているが、本研究では足指運動(屈伸運動・足指じゃんけん運動)を指導して足趾ならびにロコモテイブシンドロームの指標に改善が認められないか、あるいは転倒回数の変化、転倒不安感などの意識変化について前向きに調査する介入研究を行い、高齢者の転倒予防に役立つか否かについて考察したい。
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Causes of Carryover |
研究の遂行にあたり、事務的な対応ができる研究コーデイネータを雇用することができなかった。次年度からは実際の測定が始まるため、週1-2回程度の事務補助ができる研究コーデイネータ雇用をして、研究推進を図りたい。
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