2021 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者の足趾運動の効果と転倒との関連 ロコモティブシンドロームを改善する
Project/Area Number |
19K11271
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
金森 昌彦 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (20204547)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ロコモテイブシンドローム / 足趾挟力 / 転倒予防 / 高齢者 / 地域在住 / 足趾握力 / 足趾10秒テスト / 足趾巧緻運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢者を対象に足趾運動とバランス感覚との関連性を分析し、足趾運動実施を介入することの意義について明らかにすることを目的としている。昨年に引き続き、地域在住高齢者に対しての基本的な背景の調査ならびに足趾運動の介入研究を継続実施した。初回調査時に毎日実施する足趾屈伸運動についての説明後に実際のトレーニングについて行い、足趾運動実施チェックカレンダーを配布した。およそ3ヶ月後に2回目の調査を実施して、チェックカレンダーをもとに運動実施継続群と非継続群についての2群に分けた。対象者の設定を200名以上としていたが、足趾10秒テスト、足趾挟力・足趾握力、開眼片脚起立、立ち上がりテスト、2ステップテストについて介入前後のデータが合計209名について得られた。 介入に対する継続群(107名)と非継続群(102名)において、患者背景である転倒リスク評価、生活機能チェックリストの評価において有意な差は認められなかった。継続の有無別に足趾の屈伸運動トレーニングの介入前後おいて、足趾力の評価を行った。 足趾運動機能評価:足趾屈伸運動の継続群では、介入前の足趾10秒テストは16.8±3.7回、介入後では18.0±3.6回(p<0.001)と改善していたが、非継続群では改善しなかった。また継続群では足趾挟力と足趾握力も有意に改善した(いずれもp<0.001)。今後はロコモ評価(2ステップテスト、立ち上がりテスト、ロコモ25、開眼片足起立時間)を行い、データ分析を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から介入研究を実施し、概ね予定数の測定データを得ることができた。しかし、コロナ禍のためか研究コーデイネータを雇用することができず、すべてのデータ入力ができていないため、データ分析は十分ではない。また情報収集のため日本整形外科学会基礎学術集会ほかロコモテイブシンドロームの関連学会にオンライン参加し、ロコモならびに転倒予防に関する最新の知見を得ることができた。しかしコロナ禍のため海外の学会参加はできなかった。次年度でのデータ入力と分析促進に向けて研究コーデイネータの雇用と学会発表に向けての準備をしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進は、現在のところ妥当と判断しており、変更はない。今後はデータ分析、考察と文献検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の改善により、人件費と旅費(学会発表)への使用が見込まれる。
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