2019 Fiscal Year Research-status Report
らい予防法がもたらしたハンセン病回復者のセルフ・スティグマ低減のプログラム開発
Project/Area Number |
19K11280
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
河口 朝子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (60555473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 美智 活水女子大学, 看護学部, 准教授 (40638706)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハンセン病回復者 / セルフ・スティグマ / ケアプログラム / 介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ハンセン病回復者の内面にあるセルフ・スティグマを低減するケアプログラムを開発することである。R元年度は、ハンセン病回復者のセルフ・スティグマ低減の構成要素をこれまでデータ収集したハンセン病回復者、看護職、支援団体のインタビューデータ35名分から分析し、抽出した。また、精神障害者のセルフ・スティグマの先行研究より構成要素を抽出し、ハンセン病回復者のセルフ・スティグマ尺度を検討・作成した。その後、ハンセン病回復者に内在するセルフ・スティグマ低減のためのケアプログラム作成し、5回のケアプログラムを5名の研究参加者に試みた。 1回~3回のプログラムは体験した社会的スティグマを想起しリフレクションした。4回のプログラムの基盤になる理論は、ラップらが提唱する当事者の「ストレングス=強み」に焦点を当て、研究参加者個々の希望を取り入れた目標が達成できるケア計画を実践した。これらは、グループミーティング形式と個別面談方法で実施した。グループミーティングには、ピアサポーターを活用し、研究代表者・研究分担者・研究協力者がファシリテートした。ケアプログラムの評価を介入前後に評価尺度を用いて比較した。また、毎回の研究参加者の参加状況、インタビュー内容を質的に分析・検討中である。研究参加者が身体化された「セルフ・スティグマ」について、自身に起こっている感情やそれに伴う生活行動の抑制・他者との関係性への戸惑いが表現でき、研究参加者の中で感情・出来事を共有することにつながり、日常生活の中でもつき合いの深まりが見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハンセン病回復者のセルフ・スティグマへの低減のケアプログラムの原案を作成し、1G5名のケア介入(5回)を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ハンセン病回復者のセルフ・スティグマへの低減のケアプログラム介入にあたり、研究参加者を増やして実施する。2G目の介入予定日程は調整済み。3G目の介入予定については、協力施設と調整中である。 2.ケアプログラムの評価(関連尺度と参加状況に対する参与観察・インタビューデータの分性)と妥当性の検討
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Causes of Carryover |
研究協力施設との関係から2020年度実施予定の介入の打ち合わせ、研究参加者募集を2019年度内に行った。そのため追加で予算要求を行い、承認を得た。
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