2021 Fiscal Year Research-status Report
地域在住要介護高齢者の多角的視点による新たな転倒予測指標の開発
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19K11285
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
吉本 好延 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (60627371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 守 中部大学, 応用生物学部, 講師 (00612350)
坂本 飛鳥 西九州大学, リハビリテーション学部, 講師 (90758715)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 慢性疼痛 / 睡眠障害 / 転倒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域在住要介護高齢者の転倒を高い精度で予測できる新たな転倒予測指標を開発することである。そのために、バランス能力、歩行能力、転倒恐怖感、身体活動量、栄養状態、服薬など転倒に関連する様々な因子の評価を行い、多角的な視点で転倒に影響する因子を検証している。 現在、対象者は200名程度追跡が終了している。中間解析では、要介護高齢者の転倒に影響する因子として、慢性疼痛と睡眠障害(睡眠効率・睡眠薬服用の有無)が関連していることが明らかになった。一般的に、転倒に影響する因子として心身機能の低下が注目されており、心身機能の向上を目的とした運動による転倒予防対策が、介護予防の主流である。本研究では、従来から指摘されているバランス能力や筋力なども転倒予測因子に含めて検討しているが、これら心身機能の低下よりも慢性疼痛や睡眠障害が影響している可能性が高いことは興味深い。 また、睡眠障害は慢性疼痛と転倒の中間因子であることも明らかになった。要介護高齢者の転倒予防には、慢性疼痛の治療だけでなく、睡眠障害の治療も併用しておくなうことが効果的である可能性が高いと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
在宅要介護高齢者の転倒に関連する因子を縦断的に調査している。研究開始初年度から2021年度までに約200名の対象者の測定が終了した。コロナのため、予定していた機関でのデータ測定が困難になり、対象者数が少なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度になるが、新たに研究機関を追加することができたため、対象者をさらに増加させる。また、既にベースライン調査を行った対象者の追跡調査も引き続き行っていく。今までのデータからも、転倒には、慢性疼痛や睡眠障害の他に、抑うつ、身体活動量が関連している可能性が高く、これらのデータも含めた詳細な分析を行う。
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Causes of Carryover |
2021年度は、COVID19の影響により、移動に予定していた金額を使用しなかった。また、予定より症例の確保がすすんでいないため、測定機器や機器に必要な電池などの消耗品を購入しなかった。2022年度は、新たな対象施設が追加できたため、測定機器などの備品の購入を予定している。また、研究によって明らかになった成果の報告を行うため、移動費や製本費などに使用する予定である。
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Research Products
(19 results)