2019 Fiscal Year Research-status Report
システムシミュレーションによる災害時病院患者避難原則の解明
Project/Area Number |
19K11288
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
横内 光子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (10326316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岳 理恵 桃山学院大学, 経営学部, 准教授 (80584911)
村田 幸則 藤田医科大学, 医療科学部, 助教 (00566101)
水野 暢子 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (80338201)
奥井 早月 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (00783002)
長井 友利子 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (60785517)
藤井 誠 神戸女子大学, 看護学部, 助教 (10803760)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 患者避難 / 病院 / システムシミュレーション / 災害医療 / 護送区分 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルス感染拡大に伴い,予定していた医療施設のデータ収集が困難となった。そのため,既存のデータに基づいて,病院の患者避難モデルの構築に注力した。190床規模の病院の避難モデルを構築し,階段部分の避難方法について検討を行った。2階産科病棟,3階回復期リハビリテーション病棟,4階内科病棟の各病棟の患者が一斉に非難する場合と,上階の患者を優先して順次に非難する場合の,避難所要時間と避難完了時間を比較した。 その結果,4階内科病棟で毛布などで搬送が必要な患者の順次避難所要時間の平均値は59.04分と最も長く,避難終了時間については,4階内科病棟の車いす護送が必要な患者で最長74.48分であった。また,全体として一斉避難のほうが,避難所要時間は短く,避難終了時間は早い傾向にあった。 結果から,一般の建物火災などで示されている上階からの順次避難は,この病院では有効でなく,避難終了時刻が遅くなる可能性が示された。この病院の場合,病床の編成において,上層階に介助を要する患者の人数が多いことが影響していると考えられる。つまり,各病棟における,毛布等によって2名のスタッフによる搬送が必要な担送患者,車いすなどで1名のスタッフによる搬送が必要な護送患者,ならびに一人で避難できる独歩患者の割合が避難時間に影響を及ぼす要因であることが考えられる。 この結果をもとに,現在搬送状態の割合と階を変化させた実験に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染拡大に伴い,予定していた医療施設でのデータ収集が困難となったため,多様な施設の構造によるシミュレーションモデルの構築が遅れている。また,病院の規模や特性による,パラメータの抽出が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染拡大状況に応じて,医療施設からのデータ収集を進めるとともに,モデルを洗練させ,既有のデータを用いて条件を変えた実験を進める。データ収集について,2020年度のデータは,新型コロナウィルス感染拡大に伴う特殊なデータとなる可能性があるため,2019年度あるいは2018年度のデータを収集する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大のため,医療施設のデータ収集・データ整理補助者の謝金が予算額を下回ったため,次年度使用額は生じた。 感染の状況に応じて,必要な感染拡大予防策を講じたうえで,データ収集・整理補助を依頼し,謝金として活用する予定である。
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Research Products
(2 results)