2019 Fiscal Year Research-status Report
配偶者や重要他者との死別体験後、後期高齢者がより良く生きるための支援策の策定
Project/Area Number |
19K11292
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
古川 久美子 西九州大学, 看護学部, 講師 (80737320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 司 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50536894)
岡崎 美智子 西九州大学, 看護学部, 教授 (60279354)
河口 朝子 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (60555473)
孫田 千恵 久留米大学, 医学部, 助教 (80389501)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 配偶者との死別 / 高齢者の思い |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年3月29日、第6回世界看護科学学会学術集会において、Reflections of an Elderly Widower living alone after the Death of his Wife to whom he provided care for Ten Years(10年間介護した妻との死別後、一人で暮らす高齢者の思い)を発表した。 現在進行中の本研究の目的である後期高齢者が、配偶者や重要他者との死別体験後もよりよく生きるためには、どのような支援を必要としているのかを明らかにし、地域行政に提案できる具体的な対応を明確にするために、家庭を支えてくれた妻を10年間介護した末に妻と死別した男性高齢者の思いを明らかにした。その結果、自分を長年支え、結婚を反対した父親の介護を献身的に行った妻への感謝の気持ちをもって、自宅に置いた遺骨に供物を備えてながら生活していることが分かった。また、10年間、妻を一生懸命介護したため悔いはなかったが、医療者の説明が悪く、死に目に会えなかったことを後悔していることが分かった。子供のいない高齢者であったが、多くの親戚や友人が訪れ、家事はすべて一人で行い、現在、日常生活に困ったことはなかった。しかし、自分に合う服を選択してくれる新たな女性のパートナーの存在が生きがいとなっていたことが明確になった。 この事例から死別時の医療者の関りが後悔に繋がること、男性高齢者は死別後、一人で生きるより、新しい女性のパートナーが生きがいになることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究倫理審査後、面接(インタビュー)の準備を行い、2019年12月末より研究協力者に依頼していたが、インフルエンザ流行時期であり、延期していた。 その後、新型コロナ感染拡大とその予防により、研究協力者との連絡はもとより面接ができず、計画は非常に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染において「マスク着用で一定の距離を取れば、他者との面接は大丈夫」という社会的風潮となり、高齢者の理解が得られるような時期になってから、研究への協力を依頼していく予定である。 コロナ感染陰性の証明を求められた場合の対応も考慮していく必要があると考えているが、他者を受け入れる研究協力者が減少することが予測されるため、手指消毒薬の持参と研究協力者用のマスクを持参して、安心できる環境を整え、研究への協力をお願いしていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大予防対策により、昨年度に予定していた面接(インタビュー)が全く実施できなかった。そのため、面接時の交通費、面接後のテープ起こし等の予算が使用できなかった。今後、面接が可能になった状況から研究協力者に依頼し、調査を開始する予定である。昨年度および本年度に予定していた研究協力者数が確保できたら、調査費用とテープ起こしの予算を使用し研究を進めていく予定である。さらに研究協力者が希望する感染防対策を行うために感染予防のための物品を購入予定である。
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