2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development study of driving simulation test for evaluate hazard perception · hazard prediction
Project/Area Number |
19K11296
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 正義 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (80234847)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自動車運転 / 危険認知 / 危険予測 / 手掌部発汗反応 / 前頭前野脳血流動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021(令和3)年度は健常成人22名を対象に自動車運転認知行動評価装置(以下,本装置)を使った模擬運転テストを実施した.収集済みを含む67名のデータを用いて運転映像の各場面に応じた手掌部発汗と前頭前野酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb)の応答を評価した.車両が停止する場面では手掌部発汗反応,oxy-Hbともに減少し,その後の左折時にはoxy-Hbの増加がみられ,直進では加速により手掌部発汗の増加とoxy-Hbの減少傾向を認めた.また,危険予測を要する狭い道の走行場面ではoxy-Hbの顕著な増加がみられた.安全場面では手掌部発汗は減少しoxy-Hbが増加し,危険場面では手掌部発汗反応が増加しoxy-Hbは減少しやすく,平均反応量は手掌部発汗,oxy-Hbとも両場面間で有意差(p < 0.01)を認めた.これらの結果から,手掌部発汗は注意喚起を要する場面で増加し,前頭前野oxy-Hbは危険を予測する場面で増加することが確認された. また,住宅地映像に含まれる危険場面(ボール飛び出し)に着目し,手掌部発汗増加を認めた群を「反応群」,明確な増加を示さなかった群を「非反応群」とし,両群の前頭前野oxy-Hb及びブレーキ反応を比較した.前頭前野oxy-Hbとブレーキ反応は「反応群」で有意に多く(p < 0.01),手掌部発汗とブレーキ反応には正の相関関係が認められた(r = 0.47, p < 0.05).一方,「非反応群」においても危険認知に対応するoxy-Hb増加とブレーキ反応を認めた者は多く,被験者の危険予測・危険認知能力の判定には,手掌部発汗,前頭前野oxy-Hb,ブレーキ反応の同時評価が有効と考えられた.
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