2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の自立的な移動を支援するパーソナルモビリティビークルの開発に関する研究
Project/Area Number |
19K11307
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
高橋 良至 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (30396931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 薫 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (90259143)
高木 基樹 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (90572694)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーソナルモビリティ / 高齢者 / 移動 / 自立 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高齢者の移動の確保に関する問題を解決するために,できるだけ自分の体を動かして移動することができる,パーソナルモビリティビークルの開発と,公共交通機関の連携の可能性について,実験を行うことを目的としている.これまでに開発したアシスト機能付きパーソナルモビリティビークルの操舵機構を後輪操舵から前輪操舵に改修し,最小旋回半径が電動カートの規格に収まり,かつ操舵しやすい試作機を製作することができた.また,この試作機を用いて,アシスト機能使用時のユーザの身体負荷を実験的に確認した.通常の歩行,パーソナルモビリティビークルのアシスト機能使用時,パーソナルモビリティビークルをモータ動力のみで走行の3つの条件のもとで,下肢の筋活動を計測した結果,アシスト走行では,通常の歩行よりも運動負荷は低いが,下肢に一定の負荷を与えることができることが示唆された.この他にパーソナルモビリティビークルの応用として,高齢者などの買い物難民と呼ばれる人々への買い物支援があり,団地居住の高齢者に対して,アンケート調査の実施と買い物実験を試みた.さらに,海外における研究者との交流から,海外でもパーソナルモビリティビークルへの需要があり,共同研究を行うための調整を実施し,ビークルの制御や交通心理学的な面からの検討,高度交通システムなどとの協調による安全性確保の可能性などについて,海外研究者と議論を深めることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パーソナルモビリティビークル試作機については,予定していた操舵方式の変更,ユーザの身体負荷実験の実施など比較的順調に開発が進められているが,コロナ禍にあって実験の実施が困難となり,その他の研究が進展しなかった.パーソナルモビリティビークルの有効性の事前検討として,団地居住高齢者を対象にしたアンケート調査および買い物実験を企画していたが,実施直前に先方の申出により急遽中止となってしまった. また,海外への渡航ができなくなったため,研究者との交流もオンラインに限られ,海外の状況調査などの実施が困難であった.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きパーソナルモビリティビークルの試作を行う.折りたたみ機能の付加や,様々な路面状況での走行実験などを目指す.また,秋以降に買い物支援への応用など,実環境での実験を行いその有効性を確認する方向で,今後の研究を推進する予定である.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究の実施が困難となり,延長の申請を行ったため.パーソナルモビリティビークルの試作材料費,走行実験のための謝金等に使用する予定である.
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