確率共鳴による感覚機能およびバランス能力の改善に向けた基礎的研究

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K11309
• Research Institution: Chubu Gakuin University
• Principal Investigator: 千鳥 司浩 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (80454297)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 三上 章允 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40027503)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 体性感覚 / 足底 / 確率共鳴 / ホワイトノイズ / 振動刺激 / リハビリテーション / バランス

Outline of Annual Research Achievements

本研究では，健常者を対象に効率よく確率共鳴を起こすための刺激条件を明らかにした上で，高齢者および神経障害により体性感覚機能が低下した症例に対する適用を進め，体性感覚障害を改善するための有効な方法について検証することを目指している．令和元年度は，まず刺激デバイスの作成と動作確認を行い，健常者で予備実験を行った．令和2年度は，健常若年者を対象に足部における刺激部位（足根管部刺激，前後刺激，内外側刺激）と振動刺激の強度（60%，80%）における条件の違いによる体性感覚機能（静的触覚，動的触覚，二点識別覚，関節位置覚）および静的・動的バランス能力への効果について検証した．その結果，足根管部に感覚閾値の60%の強度で振動刺激を付与した条件が確率共鳴現象を引き起こす上で，最も効果的であることが判明した．
今後は，この基礎的データに基づき，健常若年者と同様の評価項目について高齢者や神経障害により足部・足底の感覚機能が低下している症例への適用を進め，その効果について検証する予定である．

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初，今年度は，地域在住高齢者に適用し効果を検証する予定であったが，新型コロナウィルスの影響により，前年度に積み残した健常若年者を被験者とした実験を行った．地域在住高齢者を対象とした研究については，令和2年度も令和元年度と同様の理由により行えず，進行が遅れている．

Strategy for Future Research Activity

令和3年度は，ワクチン接種の進行など新型コロナウィルスの状況を鑑み，可及的早期に地域在住高齢者を被験者とした効果の検証を行う予定である．

Causes of Carryover

新型コロナウィルスの影響により，当初予定していた地域在住高齢者を被験者とした確率共鳴現象の効果の検証が行えなかったため，次年度に持ち越した．持ち越した研究費は，被験者となる高齢者の交通費，謝金および被験者の介助者に対する謝金等に使用の予定である．