2023 Fiscal Year Annual Research Report
確率共鳴による感覚機能およびバランス能力の改善に向けた基礎的研究
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19K11309
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
千鳥 司浩 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (80454297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 章允 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40027503)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 足底 / 体性感覚 / バランス / 確率共鳴 / ホワイトノイズ / 高齢者 / リハビリテーション / 振動刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は,確率共鳴(SR)刺激としてホワイトノイズを発生させる振動刺激デバイスの作成と動作確認を行い,健常若年者を対象とした予備実験を行った.次年度より健常若年者を対象に足部における4つの刺激部位(足根管,前後,全周)と振動刺激の強度(振動知覚閾値の60%,80%)条件の組み合わせによる体性感覚機能(触圧覚,振動覚,二点識別覚,関節位置覚)の感覚閾値を母趾腹側と踵で測定し,体性感覚の感度を向上させる最適な刺激条件について検討した.その結果,母趾の触圧覚では足根管における60%の刺激強度,振動覚では全ての部位における80%の刺激強度で有意な感度の向上が得られた.また関節覚については足根管での60%の刺激強度にて有意な感度の向上が確認できた.一方,二点識別覚にはSR刺激の影響を認めなかった.以上のことから,SR刺激の付与により二点識別覚以外の体性感覚の感度を向上させ得ることが明らかとなった.令和3年度以降では,新型コロナウィルスの影響により被験者の動員に時間を要したが,これまでの基礎的データに基づき,SR刺激強度60%,足根管の刺激条件として地域在住高齢者を対象とし,健常若年者と同様の体性感覚機能に加えて静的・動的バランス能力への影響について検証を行った.結果として,二点識別覚を除く全ての体性感覚機能(母趾,踵)でSR刺激なし条件と比較してSR刺激あり条件で有意な感度の向上が確認できた.また静的バランス能力においてもSR刺激の付与により身体動揺量(外周面積,総軌跡長など)の有意な減少が認められたものの,動的バランスにおいては有意な変化は認められないことが明らかとなった. 令和5年度は,積み残した神経障害を有する症例についての実験を追加し,健常若年者におけるSR効果についての論文を執筆し,掲載済みである.現在は地域在住高齢者に対するSR効果についての論文を執筆中である.
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