2019 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋の超音波画像と神経伝導速度解析によるサルコペニア発生要因の解明
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19K11327
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
西原 賢 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80336495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 恒 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50339727)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超音波画像 / 高齢者 / サルコペニア / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢期になると、加齢や日常の活動量の低下などにより筋委縮や筋組織の変化が起きる。このようにして筋量が基準値以下となり、筋力や身体機能が低下した状態は「サルコペニア」と呼ばれ、近年、骨格筋量、握力、歩行速度によってサルコペニアを判定する操作的定義が示されている(サルコペニア診療ガイドライン)。さらに、身体機能低下だけでなく、認知機能や抑うつ傾向などの精神心理機能、閉じこもりなどの社会機能の低下も含む状態は、「フレイル」と呼ばれ、日本老年医学会では、「加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態」と定義している。 本研究では、骨格筋の超音波画像や筋電図から得られる情報を分析し、サルコペニアやフレイルの発生に影響する骨格筋機能について明らかにすることを目的とした。 2019年9/29~10/6には、東京都板橋区の65歳以上の地域高齢者に広く呼び掛けて700人余りの参加者に対して身体計測、医学検査、運動機能検査、生活習慣についての面接聞き取り調査、認知昨日検査などを実施した。そのうち、骨格筋量、歩行速度、握力、基本チェックリストなどの測定値から対象者をサルコペニア、重症サルコペニア、健常群などに分けて男女合わせて120人余りを抽出した。これらの対象者に対して「筋肉量と運動神経機能計測」の参加を呼び掛けて、70人余りの参加者に測定を予定していた。測定のためのスタッフも手配した。 これと並行して、筋肉量を計測するための超音波診断装置を用意した。さらに誘発筋電図計測のための小型の筋電計、電気刺激装置、記録や神経伝導速度分析のための計算機プログラムを開発して計測の会場まで持ち運びできるようにした。他にも筋力測定器を用意して計測の準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上述の「研究実績の概要」で述べたように筋肉量と運動神経機能計測を予定していた。70人余りの参加者においては、新型コロナ(COVID-19)の事態を念頭に測定会場内の消毒や換気など感染症対策を講じ、参加者は互い一緒に接することがないように1人ずつ時間をずらしてのアポイントを取っていた。しかしながら、状況の改善が見込められず測定は中止となり、参加者にもその旨の連絡を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
中止となった筋肉量と運動神経機能計測は、新型コロナの状況を見ながら、後に再度計画と呼びかけを行い実施できるように心がける。測定される超音波画像から下肢の筋厚、筋電図から筋線維伝導パタン、神経伝導測定を測定する。測定データの群間の比較を横断的、縦断的に分析していく。
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Causes of Carryover |
(理由) 初年度に「筋肉量と運動神経機能計測」を実施するための消耗品、測定要員へのアルバイト料が執行できなかった。 (使用計画) 状況の推移をみながら後に再度の「筋肉量と運動神経機能計測」の呼びかけを行うための資料作成とコピー費、通信運搬費、測定スタッフの人件費、ファイル一式も購入する。本研究データ収集のための測定会場への移動や研究打ち合わせのための旅費を使う。
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