2021 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋の超音波画像と神経伝導速度解析によるサルコペニア発生要因の解明
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19K11327
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
西原 賢 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80336495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 恒 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50339727)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / 運動機能 / 超音波画像 / 筋輝度 / 筋厚 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋量と筋力は年と共に低下する傾向がある。また、結合組織の増加による筋質の変化についても注目されている。このような変化は30代の早い段階から進行が始まり、性別、生活習慣および基礎疾患などの要因により影響を及ぼす。高齢者の骨格筋量と機能の低下は日常生活の質を低下させ、慢性疾患のなかで最も一般的な疾患のなかのひとつで身体機能に影響されやすい疾患である2型糖尿病などの生活習慣病のリスクを上げる因子とされている。 本研究では高齢者の運動機能と筋量や筋質が、2型糖尿病によってどのように影響されるかを明らかにすることを目的とした。地域在住高齢者825人の健康診断記録や既往歴、膝伸展筋力や歩行などの運動機能と、超音波画像計測装置を用いた大腿四頭筋の筋厚と筋輝度を計測した。計測したデータは男女に分けてさらに糖尿病ありなしにわけてそれぞれの平均の差を比較した。結果として、男性においては、糖尿病有り無しによる比較で、糖尿病のある人はない人より膝伸展筋力でのみ有意に小さかった。その反面、女性においては、糖尿病有り無しによる比較で、糖尿病のある人はない人より握力、膝伸展筋力で小さく、大腿直筋輝度で大きかった。女性は男性と比較してより全身に影響し、筋質の変化がより著明であることが分かった。糖尿病による運動能力の維持改善は特に女性にとって大切であることを示唆している。 これらの成果については老年学専門の学術誌に原著論文としてまとめて投稿して採択と掲載にいたることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度も昨年同様に心身健康状態の測定会の「お達者健診」を9末から10月初旬にかけて感染予防に注意しながら行った。測定内容としては、身体計測、体組成、歯科健康、薬手帳記録、バイタル、運動機能および認知機能等であった。さらにこれら記録に基づいて参加者に呼び掛けて応じてくれる人を対象にして運動機能と筋肉量を明らかにする研究をする予定であったが、再びCOVID-19による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が始まり、呼びかけができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の状況を踏まえて「お達者健診」の参加者に再度感染予防に注意しながら参加を呼びかけて運動機能と下肢の筋肉量をより詳細に測定してこれらの関係を明らかにして高齢者の健康の維持・向上に努める。
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Causes of Carryover |
測定会の参加者に呼び掛けて応じて頂いた人に計測を行う予定であったが、COVID-19による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が続いたため見送りとなった。
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Research Products
(1 results)